6月27~28日に富士スピードウェイで行われる公式テストで、いよいよふたたびシーズン開幕へ向けて動きはじめる2020年のスーパーGT。今季TGR TEAM SARDに加わった脇阪寿一監督に、富士公式テストに向けて、そして2020年はどんなシーズンになりそうかを聞いた。
2019年に大嶋和也と山下健太をチャンピオンに導き、今季はかつて2012~2013年にドライバーとしても在籍したTGR TEAM SARDに加わった寿一監督。名門復活に向け体制も大幅に変更されたチームを、常勝チームへ育てるべく寿一監督にかかる期待は大きい。
メーカーテストを経て、3月に行われた岡山公式テストでは、さっそく監督としてチームを牽引したが、来たる富士公式テストに向けては「基本的にはイチからになるでしょうね」という。岡山公式テストでは不具合もあり、まだ“新生TGR TEAM SARD”としての船出を切ったばかり。岡山では「予行練習のようなイメージですね」という。そのため富士は「新たに仕切り直す」テストだ。
ただそんななか、新型コロナウイルスの影響がTGR TEAM SARDにも降りかかった。フィンランドに戻っていたヘイキ・コバライネンが再来日できず、6月26日付けでエントリーが取り消されてしまった。第3ドライバーに起用されたのは、昨年寿一監督とともにチャンピオンを獲得した山下で、中山雄一とともにドライブすることになる。
しかし寿一監督は「今回ヘイキが帰って来られず残念ではあるのですが、逆にそれをポジティブにとらえたいと思っています」と長年TGR TEAM SARDのエースとして活躍しているコバライネンの不在も、チャンスとして捉えようとしている。
「スーパーGTでチャンピオンを獲るためにはどういうことが求められ、どのレベルで何をするかだと思うんです。それを知っている山下選手がTGR TEAM SARDに入ってくれることはすごくありがたい」
「僕は何年かかっても、TGR TEAM SARDをチャンピオンが獲れるチームにしたいと思っている。岡山で僕がチームに注文した内容も、分からない人がいたかもしれない。でも僕が理想として言った内容が、山下選手のコメントや、いろいろなことを通じて、少しでもチームへの“気づき”になればと思っているので、彼が来てくれることはポジティブに働くと思っています」
■脇阪寿一監督の“2020年予想”は さて、来たるシーズンに向けて、TGR TEAM SARDをはじめトヨタGRスープラ勢は「スープラ復活」のシーズンで果たさなければならないことがある。もちろんそれは「デビューウイン、デビューイヤーのチャンピオンは一度しかチャンスがない」と寿一監督が語るとおり、復活を華々しく飾ることにある。