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リーガルで紳士靴をオーダーしてみた(前編)

2020年06月24日 08:32  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
ビジネスシーンだけでなく、ちょっとしたパーティや結婚式の二次会にも履いていけるような、ドレスアップした靴はお持ちでしょうか。足元のオシャレ、つい後回しにしていませんか。

今回は、「若手ビジネスパーソンの初めてのオーダー」をテーマに、シューズブランド「リーガル(REGAL)」「ケンフォード(KENFORD)」を展開する日本企業・株式会社リーガルコーポレーションに協力いただき、靴のパターンオーダーを体験してきました。

リーガルのパターンオーダーの特長は?

リーガルでは、お気に入りの一足をカスタマイズできるドレスシューズのパターンオーダーサービスを展開しています。同サービスは、リーガルの本流である、履き心地、堅牢性、耐久性、修理など多くの長所を持つ「グッドイヤーウエルト式製法」でつくられるクラシックデザインをベースに好みのカスタマイズを行えるというもの。16種類のデザイン、2種類のトゥシェイプをはじめ素材、ソールとヒールなど多彩な選択が可能です。

オーダーから商品お届けまでは約60日間。価格は46,000円(税別)から。若手のビジネスパーソンでも比較的手軽にパターンオーダーシューズを入手できます。

前述の通り選べるデザインは16種類で、革の種類、装飾の有無など、細かいカスタマイズに対応。オーダーしたシューズは新潟県加茂市のリーガルコーポレーション直営の工場で、職人さんが精魂込めて製作しているとのことです。

今回オーダーに対応してくれたのは、REGAL 日本橋の渡辺徹店長。靴のプロフェッショナルだけあり、靴に関する豊富な知識をオーダーシューズの知識がない方にも分かりやすいカタチで説明してくれます。果たして、どのようなオーダーシューズが完成するのでしょうか。

ベースとなるデザインを選ぶ

こちらのオーダーは「ビジネスにもカジュアルにも履いていける汎用的な一足」というワガママなものでした。これに対し、渡辺店長は「現在、企業の職場環境も変わりつつあります。ビジネスシューズといっても従来のような黒一色ではなくなり、ブラウン系を選ぶお客様が増えています」と最近の傾向について教えてくれました。昨今の『働き方改革』の影響が、ビジネスパーソンの足元にまで及んでいるようです。

はじめに16種類のデザインが示されました。飾りの少ないプレーントウ、つま先に切り返しがついたストレートチップ、鳥の翼のような装飾があるウイングチップのほか、ローファーやブーツも。羽根と呼ばれるパーツが外に縫い付けられている外羽根か、内に縫い付けられている内羽根か、によってもずいぶんと印象が変わってきます。

「ウイングチップは飾りが多いため、フォーマル度が低くなります。スーツだと足元がカジュアル寄りに見えてしまうかも知れません。もしウイングチップをビジネスで使うなら、ジャケットとパンツのスタイルが適当です。カジュアルの場面ならデニム、チノパンにも似合いますよ」(渡辺さん)。

このうち、ストレートチップを選択しました。「ビジネスとカジュアルで、どちらをメインにしますか。ビジネスであれば、内羽根式のストレートチップがスタンダードですね」と渡辺さん。サンプルとなる靴を見せてくれました。

シューズのディテールをつめる

次は、つま先の形状です。ラウンド、スクエアの2種類が選べます。ちなみに20~30代の社会人にはラウンドが人気とのこと。「ラウンドはスッキリ見えるので、細身のスラックスにも似合います。パンツの丈が短いときもバランスよくスマートになりますね。一方で、スクエアはクラシカルな雰囲気が出ます」(渡辺さん)。

イチバン悩んだのが、カラー、素材、ライニングの選択。靴の印象を決める大事な要素と言えるでしょう。「黒系ならフォーマル感が強まりますが、ブラウン系ならコーディネートの幅が広がります。同じ茶でも単色のほか、最近は仕上げに甲革に濃淡をつけた加工のものも人気です」と渡辺さん。こんな感じですね、と見本靴を見せてくれました。なるほど、たしかにオシャレ度が高い。

素材については、高級なものであれば値段も上がります。使用できる革の中で最もスタンダードなのが「国産のキップ素材」で、価格は46,000円(税抜)。既成品ではあまり使われない、充分に上質な革素材です。

牛革をコーティングする際に樹脂を薄く塗り光沢を出したもの、職人が細かい型押しを施したもの(スコッチグレイン)、仕上げの段階で撥水加工したもの(ウォータープルーフレザー)など種類も豊富。それぞれに、色のバリエーションが用意されています。ウォータープルーフレザーについて聞いてみると「雨が降ってきてもシミになりにくいのが特徴です。いまの日本の気候に合っていますね。通常、撥水加工を施すと革本来の質感が失われてしまうところ、厳選された革に施してあるので、見た目は大きくは変わりません」とのこと。

ライニング(Lining、内張り+中敷きの部分)の色はブラック、ベージュ、ダークブラウン、ボルドー、レッド、ネイビーの6色を用意しています。靴の内側なので人には見えませんが、こういう部分のこだわりって、所有欲を満たしてくれるんですよね。飲み会で座敷にあがったときなどは、つい人に自慢したくなることでしょう。「色味が優しいネイビーが新色で追加されました。ブラウンにネイビーもおしゃれですよ。また明るいブラウンにレッド、というのも人気がある組み合わせです」(渡辺さん)。

ソールとヒールも選びました。革底にするか、ゴム底にするかという選択肢のほか、地面にあたる部分だけにゴムを施してグリップ力を高めた革底も用意されています。そして雪道に対応したものも。ちなみに、革底であればソール全体を赤にできたりと、自由度が高いのが嬉しいところ。「革積み上げヒールの一部分にゴムをはめ込んだものを使用し、踵(かかと)の減りやすさに対応することも可能です。プラス2,000円になりますが、真鍮釘を打つと高級感も出ます」(渡辺さん)。

左右の大きさが違う!? 足のサイズを測定

どんな靴にするか、が決まったところで足のサイズを測定してもらいました。測ったのは足長と足囲。渡辺さんによれば、誰しも必ず大きさに左右差があるとのことで「両足とも同じサイズの人の方が少ないと思います。そのため左右の靴でへたり具合も変わってきます」。なるほど、納得です。

測定の結果、足長は左足が253mm/右足が249mm、足囲は左足が266mm/右足が263mmでした。測定が終わると、サイズ適合表をもとに最適なサイズを提案してくれます。ちなみにパターンオーダーでは、靴幅も3種類(幅広、標準、細身)から選べます。自分の足の形により近い靴が完成しそうですね。

この機会に、既成の靴を買うときに気を付けるべきことについても聞いてみました。ポイントは、フィッティングするときに踵を靴に合わせた状態で、「足の甲」および「土踏まず」がきちんとフィットしているかどうか。土踏まずが靴のアーチに沿っているか、手で触って確認すると良いとのことです。

そして店内を歩いてみて、つま先が圧迫されていないか確かめます。つま先には1cm~1.5cmの余裕があると良いそう。「くるぶしが当たっていませんか。サイズが合っていないと、靴ずれの原因になります。念のため、前後のサイズも履いてみるのがオススメです」(渡辺さん)。
オーダー完了からお届けまでは約60日間

オーダーに要した時間は1時間ほど、会計はトータルで税込51,700円となりました。仕上がりが今から楽しみでなりません。

ところで、靴のメンテナンスやリペアにも注力しているリーガル。渡辺さんは「お気に入りの靴と、長いお付き合いをしていただきたいというのが私たちの願いです。パターンオーダーシューズだけでなく、既成靴の修理にも対応しています。ヒールが減ったら取り替えられますし、オールソールの貼り替えも可能です。可能な限り純正パーツで修理できます」と説明してくれました。

古いものを捨てて新しいものを買うのではなく、自分の足になじんだ靴を長く大事に履いていく。このリーガルの伝統的なサービスの指針は、現代人のエコな考え方にもフィットしていると感じました。(近藤謙太郎)