世帯年収が平均以上というと、ゆとりがある暮らしをイメージする人も多いだろう。平均世帯年収は560万2000円(厚労省調査、2016年時点)であることを考えると、600~800万円は余裕がありそうにも見える。
しかし運輸業で働く40代男性のキャリコネニュース読者は「余裕はない」と綴る。子どもの習い事や食費、住宅ローン、車のローンなどの支出が多く「カツカツです」と家計の苦しさを訴えた。不動産業で事務職を務める40代女性も、
「特に余裕はないです。仕事柄ランチを毎日外食するのですがそれだけで戦々恐々としています」
と綴っている。
「自分の給料は生活費に全て消える」「税金と保険料で15万円ほど惹かれてしまう」
サービス業で働く男性は年収700万円だが、男性の給料は生活費や税金、光熱費などの支払いに充てるため一切残らない。妻はパートとして働いているものの、子どもたちはまだ小さく手がかかるため、フルタイムに転職してもらって世帯収入を上げることは難しいという。
金融・保険系で働く30代男性は、「税金などを差し引くと年収400万円の頃とあまり変わった気がしない」という。同様の意見は他の人からも出ている。
「税金等に4割ほどは引かれてしまうので、収入が上がる前の年収500万くらいの時の方が余裕はありました」(30代男性/事務・管理)
「税金と保険で15万程度引かれてしまう。家のローン、携帯代などを払ったらほとんど残らない」(40代男性/業種記載なし)
所得が上がるほど、税金も上がる。男性が片働きの場合や、世帯年収における男性の収入の割合がかなり多い場合、それだけたくさんの税が課せられ、手元に残るお金は減ってしまう。そこからローンや教育費を支払えば、生活は苦しくなるのは当然だ。
20代独身女性「自由にお金を使う。ブランド品を買い漁った」
また同じ世帯年収なら、支出が少なく自由に使えるお金が残る環境にいる人の方が生活にゆとりは出る。たとえば、実家住みで家賃がかからないケースや、独身、DINKSなどが挙げられる。
流通・小売業で働く20代独身女性は、「自由にお金は使ってます。自粛中はネットでの買物が増え、ブランド品を買い漁ってました」と答えており、生活のゆとりをにじませる。
同じく流通・小売業で働く30代独身男性は、
「前年の所得は600万です。貯蓄は年間120万程度でほぼ高配当株式にまわしています。生活費は月平均21万円で残りは自由に使っています。 車はもっていませんが、そのかわりタクシーは自由に使うようにしています」
とコメント。お金を自由に使い、日々の暮らしに満足している様子だ。
不動産系で働く50代女性は、「2人の子どもが社会人になったので余裕ができた」と話す。しかし子どもが学生だった時には2人分の学費で生活に余裕はなく、「貯金を切り崩し家計はマイナスでした」と振り返る。
寄せられた声を見ると、暮らし向きにゆとりが持てるかどうかは世帯年収ではなく、可処分所得が多いかにかかっているといえる。
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