トップへ

藤井流星と神山智洋の兄弟関係に注目 『正しいロックバンドの作り方』の集大成

2020年06月22日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『正しいロックバンドの作り方』(c)NTV・J Storm

 最終審査を目前に結束を固める「悲しみの向こう側」だったが、テツ(神山智洋)だけは未だに浮かない表情を見せる。日本テレビのシンドラ枠で放送中の『正しいロックバンドの作り方』が、6月22日に最終話を迎える。今回は、「電撃ロックフェス」出演をかけた最終審査に挑む4人の姿が描かれる。


【写真】テツ(神山智洋)を心配するメンバー


 テツの誤解も晴れ、あとは最終審査を迎えるのみ。しかしテツはここで「ごめん……やっぱり僕、今日の審査に出られない」と衝撃の言葉を残すのであった。理由を問うメンバーにテツは、自身のドラムのスキルに不安があることを告白する。実はネットで自分のドラム技術が悪く書かれてしまっているのを見て傷つき、プレッシャーを背負っていたのだ。シズマ(藤井流星)らはテツを励ましなんとか最終審査を4人で迎えようとするが、すでにテツの身体には異変が起こっていた。なんとかしてテツを救おうとする3人だが、果たして「悲しみの向こう側」は最終審査を受けることができるのか。


 いよいよ最終話となった今回は、集大成にふさわしい“バンド愛”が描かれる。第9話で明かされた兄弟の感動秘話がシズマ目線で描かれ、2人の関係がどう紡がれてきたのかが明らかになる。シズマとテツは兄弟でありながらバンドメンバーでもある。テツの苦しみに一番寄り添えるのはシズマであり、また一番辛くあたってしまうのもシズマなのだ。そんな2つの側面を持つ赤川兄弟の関係性に注目してもらいたい。


 さらにコバ(吉田健悟)やオギノ(栗原類)もテツのために手を替え品を替え奮闘する。テツと一緒に最終審査に挑みたいという想いの強さがひしひしと伝わってくるエピソードは、「悲しみの向こう側」のバンドの軌跡を感じさせる重要なシーンとなった。そして物語はグランドフィナーレへと続く。「悲しみの向こう側」の下した決断と、ラストの描かれ方にはじんわりと涙が溢れてくるだろう。4人の奮闘を最後まで見守ってほしい。


 シズマがバンドのリーダーとして見せる表情がキーとなる最終話。今までちょっぴり頼りない姿もあったが、ここで見せる勇姿が何よりもシズマという役を輝かせる。藤井が表現するシズマは愛嬌と熱い魂で何者にも代えがたい魅力を放ってきたが、その集大成が今回描かれるだろう。さらに神山演じるテツは最終話でも苦悩を抱える役であり、本作で一番重要なシーンで難しい芝居を強いられる。冷静で、情熱に燃えるシズマとは正反対のテツが、どのようにバンドメンバーに苦しみを語るのか、そしてどう乗り越えようと足掻くのか。神山の些細な表情の変化によって表されるテツの心情に、視聴者も心を突き動かされるだろう。


 果たして「悲しみの向こう側」にはどんな未来が待っているのか。最後まで4人の姿を見届けたい。


(Nana Numoto)