FIAは6月19日、WMSC世界モータースポーツ評議会(ワールド・モータースポーツ・カウンシル)をリモート形式で開催し、このなかで2020年のWRC世界ラリー選手権再開に向けたレギュレーション変更や、2021年シーズンのシリーズ戦開催国の一部が承認された。
2020年2度めの開催となった今回のWMSCは、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で初のeカンファレンスとして行われた。
ラリー競技の最高峰であるWRCは、新型コロナの影響で3月の第3戦メキシコ以来シリーズ戦を開催できておらず、中断状態にある。今回承認されたのは主にコスト削減に焦点を当てたレギュレーション変更だ。
具体的にはシリーズ再開後、2020年シーズンの年間ラウンド数が8戦以下となる場合はWRC各チームの使用可能エンジン基数を年間3基から2基にすることや、大会前に各マニュファクチャラーが開催する事前テストについてヨーロッパ圏内WRCラウンドに参戦するワークスドライバーの走行可能日数が各大会1日のみに制限することが承認された。
シリーズ再開を見据えた2020年シーズンのカレンダーは発表されなかったため、シーズン4戦目がいつ、どこで開催されるのかは不明のままだ。その一方、2021年シーズンに向けてシリーズ戦開催予定国の一部が明かされた。
今回発表されたのはモンテカルロ(ターマック/舗装路)、フィンランド(グラベル/未舗装路)、ポルトガル(グラベル/未舗装路)、スウェーデン(スノー)、ケニア(グラベル/未舗装路)、スペイン(ターマック)、イタリア(グラベル/未舗装路)、日本(ターマック)、オーストラリア((グラベル/未舗装路)の9カ国だ。
このうち6カ国は2019年のWMSCですでに開催承認を受けていた国々でラリー・ジャパンの舞台である日本もそのうちのひとつだ。
ただし、具体的な開催日程やシーズン全体のラウンド数については発表されなかった。一部ではWRC参戦チームとプロモーターで希望する年間ラウンド数に差があると報じられており、チーム側は年10戦の開催を求める一方、プロモーター側は年12戦の開催を目指しているとみられている。