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WorldRX:eスポーツ世界王者がリアルテストを体験。フォード・フィエスタをドライブ

2020年06月20日 07:41  AUTOSPORT web

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『DiRT Rally 2.0』の現世界王者であるキリアン・ダロルモは、この2月にRX2用マシンで現実世界のマシンを初体験した
FIAのヨーロピアン・ラリークロス選手権で複数のタイトルを獲得し、現在WorldRX世界ラリークロス選手権ではマーカス・グロンホルム率いるGRX Taneco teamのオペレーションも担当するSET Promotionは、シリーズの公式eスポーツ選手権でも採用された『DiRT Rally 2.0』の現世界王者であるキリアン・ダロルモに、実際のRXスーパーカーをドライブするテストの機会を提供した。

 フィンランドに拠点を置く強豪ラリークロス・チームのSET Promotionは、2月にもフランス・ロエアックのトラックでこのテスト機会を設けていたが、6月に入ってその模様を初めて公開した。

 コードマスターズ社の開発した『DiRT Rally 2.0』のプラットフォームを用いて、1月にイギリスのバーミンガムで開催された恒例のASI(Autosport International Show)の会場で世界王者に輝いたフランス出身のダロルモに、WorldRX公式ステップアップカテゴリーの“RX2 International Series”で使用されるフォード・フィエスタRXスーパーカーのステアリングを握る機会が与えられた。

 そのダロルモは、この新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延によりWorldRXのシリーズ開幕が延期されている期間、同選手権が実施したeスポーツ・シリーズにも参戦。事前に4戦で開催された“Invitational”では並いるレギュラー勢を抑えて勝利を獲得したほか、リアルドライバーとのクラス分けが導入されたアブダビ、ヤス・マリーナでの新eシリーズ開幕戦では3位に入賞している。

「ロエアックでのテストデイは本当に素晴らしい経験だった。ワンメイクのRX2車両は僕が初めて経験するリアルなレースカーだったし、僕自身は市販車の運転経験もないから、そのスピードとグリップの感覚、そしてハンドリングの素晴らしさは格別のものだったよ」と振り返ったダロルモ。

「実際のリアルなトラックと、ゲーム内に再現されたレースコースではやはり違いもあって、それによりチャレンジする部分も少し異なっていた。でもゲームではスムーズであることを学ばないと速くは走れないし、それは現実のRX2カーでもおなじで、ほとんど違いはなかったと言えるだろうね」

 テスト当日はSET Promotionのチーム代表で元ラリークロス経験者のユッシ・ピノマキと、GRX Taneco teamに所属するニクラス・グロンホルムが彼のメンター役として参加していたが、ピノマキ代表は「キリアンは明らかに非常に才能のあるシミュレーションレーサー」だと、その資質に太鼓判を押した。

「フランス国内のカートクロス選手権で残したリザルトを見れば、彼が現実の世界でも優れていることが証明されている。今季の始めにフランス・ロエアックのような素晴らしいトラックでテストをする機会があったので、そこに彼を招待したんだ」

「彼の『DiRT Rally 2.0』でのドライブを見ていたし、それを現実のRX2 Internationalで使われるリアルなワンメイク車両で再現できる機会を与えられたことは、本当にエキサイティングだったよ」

「我々のテストは、ヨーロッパ全域で新型コロナウイルスのアウトブレイクが始まる直前に実施することができたが、奇しくもその直後にeスポーツの存在が世界的な脚光を浴びる状況となった」

「そのロエアックでは、目の前に置かれた現実の状況に対してキリアンがどれほど迅速に適応するかを目撃したし、そのアジャストの速度に感銘を受けた。今後、彼が実際のレース環境でステアリングを握る機会を見るのは、非常に興味深いものとなるだろうね」

 そのダロルモは、引き続き6月21日(日)に開催される『WorldRX Esports』第2戦ノルウェーのヘル・ラウンドで、引き続き長男のクエンティン・ダロルモとともにシムクラスのグリッドに並ぶこととなる。