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生田鷹司&佐香智久&濱野大輝&石井孝英に聞く、YouTubeオーディション『ReFlap』の“複雑で多様な面白さ”

2020年06月19日 16:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『ReFlap』

 7人の男性バーチャルタレントによる「100年アイドル」の称号を争うYouTubeオーディション番組『ReFlap』が面白い。


 同プロジェクトは、“人生どん底”にいる男性タレント7人ーー鐘ヶ江隼弥(CV:生田鷹司)、鷹宮陽向(CV:松岡侑李)、鴎端慧(CV:佐香智久)、五百雀玲於奈(CV:天月)、鷲埜瑞人(CV:濱野大輝)、鵡川郁(CV:石井孝英)、孔雀石麗司(CV:熊谷健太郎)が再起をかけて「100年アイドル」の称号を勝ち取るためのオーディションに挑む、YouTube配信・リアルオーディション番組だ。


 YouTubeやTwitter、Instagramと連動して発信されるコンテンツが妙にリアルなうえ、それぞれが連携する楽しさもあったり、歌手・声優など、多種多様な演じ手が集うことで起こる化学反応も新鮮。ユーザーの投票結果でメンバーランキングが確定する“ガチ”な戦いのため、応援がキャラクターやシナリオの今後にも関わってくる点にも注目だ。


 今回は7人のメンバーを演じるキャストのうち、6月10日にリリースされた『ReFlap Chasing RePlayers’Collection』に参加する生田、佐香、濱野、石井の4人にインタビュー。コンテンツ制作の裏側を知るべく、キャラを演じるうえで心掛けていることや、自身とキャラクターとの共通点、楽曲への取り組みなどについて、じっくりと話を聞いた。(編集部)


(参考:杉田智和、関智一、石川界人……人気声優がYouTubeで大暴れ 個性全開の動画を楽しもう


・「自分の半身だと思って過ごしている」(佐香)


ーー『ReFlap』は、第一印象として「すごく面白く、かつ複雑なプロジェクトでもあるな」と感じました。実際に演じる、歌う皆さんは、最初に企画概要を聞いた時にどう思ったのか、というところから聞かせてください。


生田鷹司(以下、生田):最初にお話を伺った際には、キャラクターに声を入れさせていただくんですが、喋る以外のところでキャラクターたちが色々動いて活動もするし、リアルな接点も作っていくと聞いて、「今までにないものだし、すごく面白そう」と思いました。


佐香智久(以下、佐香):最初は、「10分ぐらいお話を聞かせてください」とキャラクターの設定が固まる前に、お話をしたのを覚えています。そこで話したことが、実際のキャラクターに半分ぐらい反映されていたりもするんです。だからこそ、走り出した瞬間から他人事とは思えなかったというか、自分の半身だと思って過ごしているところはあります。


濱野大輝(以下、濱野):企画書を見た段階では、まさに近未来というか。YouTubeなども活用しつつ、リアルイベントもやっていったり、そこに生身の我々ではなくキャラクターが登場したりというのは、どういう反応があるんだろうと興味深かったですし、参加する上でどんなキャラクターを演じさせてもらえるんだろうとすごくワクワクしていました。


石井孝英(以下、石井):僕は投票システムのシビアさに驚きましたね。なぜかというとーー(画面越しの石井がフリーズ)


濱野:あ、石井くんが止まった! やっぱりいいキャラしてるなー(笑)。


石井:あー、すみません! 続きから話します! 他の作品でよくやっている投票やオーディションって、1位ならソロ曲とか、2位以下でも特にマイナスなことはなかったりするんですが、『ReFlap』はアイドルの頂点である「100年アイドル」を決めるオーディションで、1位以外は脱落するというシステムに驚いて。かなりリアル寄りのアイドルオーディションなんだと斬新に感じましたし、役のオーディションに受かった段階で嬉しかったんですが、「ここからまた、他のキャラクターに勝っていかなきゃいけないんだ」という焦燥感も生まれました。


ーーたしかに、オーディションを勝った先でまたオーディションが始まった、みたいな状態ですもんね。そういった第一印象があったうえで、実際に参加してみてわかったことは?


生田:TwitterやYouTube、Instagramでそれぞれ反応してもらっているのを見ていて、リアルにいろんな物事がどんどん動いていくのを体感できたのは、すごく面白かったです。それと同時に、ファンの方たち一人ひとりの頑張りが反映されてるんだと、少し怖くもなりました。


佐香:生田さんの言うように、ファンの方たち一人ひとりの頑張りもそうですし、自分の頑張りも反映されてしまうので、慧がうまく行ってなかったりすると、僕自身も「がんばらなきゃ……」と焦ってしまいます。


濱野:初めてリアルイベントに参加したとき、お客さんが『ReFlap』というコンテンツも、RePlayer’sたち一人ひとりのことも応援してくれているんだと強く実感しましたし、楽しさと怖さの両方を覚えました。同時に、キャストの皆さんが多種多様なので、このコンテンツの面白さはそういう“多様性”でもあるんだろうなと改めて確信しましたね。


ーー続いて石井さんは……また止まってますね(笑)。


濱野:スローになったり速くなったりしてる(笑)。


佐香:もうわざとにしかみえない(笑)。


石井:すみません! ちゃんと動いてます! ほら!(激しい動き)


ーーでは改めてお願いします(笑)。


石井:実際に参加してみてわかったのは、テレビ番組とかでよく見る“アイドルのオーディションに密着する番組”に近いなということですね。お互いに譲れない戦いだとわかっていても、同じ時間を共有することによってキャラ同士に友情が生まれてきて、時間が経つにつれて、そのキャラ同士の掛け合いにも深みが増していったりとか。その様子を『RePlayers’ Note:01』のストーリーやインスタ、公式Twitterでアップしてくださっていたりもして。そういうのを一緒になって共有できるところが1つの魅力かもしれません。あとはやっぱりオーディションなので、絶対に終わりがあるし、タイムリミットが存在するという焦燥感をキャラクターと共有できてるからこそ、もっとこの子を応援したい、がんばらなきゃと一心同体になって応援できるのが大きな魅力なんです。


・「落ちるまでを一通り楽しめる、郁の心の余裕が羨ましい」(石井)


ーーキャラクターの設定には皆さんそれぞれのパーソナルな部分も含まれているということですが、演じたことで「自分はこういう部分があるのか」とわかったり、逆に全く自分になくて羨ましいと感じた部分はありますか?


生田:最初の設定を教えていただいたとき、隼弥は明るくて元気で主人公チックなキャラだという印象だったんですが、演じるうちに「やっぱり人間って生きてると色んな顔を持ってるんだ」と思うようになりました。僕自身も、こういう仕事の時にはこういう顔、外を歩いている時はこんな顔、友だちと会う時はこんな顔、みたいなのがあるんですけど、その中の1つが隼弥と似ているので、すごくシンパシーを感じているんです。でも、演じているうちに、自分が勝たなきゃならない相手が周りにたくさんいることで、少しづつ闇が見えてきたというか。それを演じたときに「隼弥って泥臭いやつなんだ」と改めて思いましたし、自分が置かれている状況ともリンクする部分があって、より隼弥のことが好きになりました。


 隼弥へ憧れる部分に関しては、何よりまっすぐなところですね。僕自身も、やるって決めたことをなるべくやろうとはするんですけど、ちょっとした誘惑や怠惰な気持ちに負けてしまう瞬間もあって。なんだかんだ紆余曲折を経て、その都度定めたゴールに何とか辿り着けてはいるんですけど、隼弥は紆余曲折が心の中であまりない気がしていて。脳と口が繋がっているかのように思ったことをすぐに言ったり、そこに加えて体が直結してるかのように思うままに行動するところもあって、それは自分にはないところなので、すごく憧れますね。


佐香:僕は最初に全部のキャラクターの資料を読んで「このキャラクターはこういう性格なんだ」みたいなことを考えてたんですけど、『ReFlap』ってそれぞれがオーディションに参加する動機があって、その中には簡単には言えないような闇の部分があったりするし、キャラクター同士の会話でも「ここでこんなこと言う必要ないだろ」みたいなことも結構あったりするんです。でも、それも物語が進んでいくにはすごい必要なことだったりするわけで、みんなの素直で純粋なところが最終的にはすごく好きになるし、今の自分にも必要だなって思わされるところもあるんです。僕は逆に「こんなことを言ってややこしくなるなら、言わない方がいいや」と諦めるタイプなので、「慧みたいになりたいな」と尊敬しています。


濱野:瑞人はオーディションに参加しているものの、他のキャラクターに比べてクールなところがあって。特に今回はリベンジする側として、余計頑張らなきゃいけない立場なのに、ここでも冷静なんです。自分はオーディションに落ちたとき、悔しい気持ちがネガティブな方に行きがちなんですが、冷静かつ純粋にオーディションへ向けて準備をしている瑞人を見ると、「自分もこうありたいな」と憧れる部分はあります。演者としても、瑞人は時間をかけて人間味を出していくタイプなので、演じるたびに新たな発見があって嬉しいです。探究心を刺激される感じというか。


石井:郁は他のキャラクターたちに比べると、過去が重いというより、今が危ないタイプというか。このままだと本当に生活が危ない崖っぷちの芸人さんという、よりリアルに近い立ち位置のキャラクターだなと思っていて。最初はメンタルが強いなというくらいだったんですが、最近は自分が楽しいという感情よりも、他人を大切にする「とことん自己犠牲タイプの人間だな」と感じるようになりました。心の底から自分が1位になるんだという態度ではなく、それぞれのキャラクターたちの魅力を引き立てて、みんなを楽しませようという感じがするんです。そういう意味で、オーディションに対する向き合い方は立ち位置は瑞人さんに近いのかも。インスタのストーリーでやった質問企画でも、郁は過去の恋愛について「全部告白された側」と言っていて。来るもの拒まずで相手に合わせるタイプなのかなというのも最近の発見でした。最近といえば、彼が心の底からオーディションを楽しんでるんだと感じたエピソードもあって。これからはもっと一皮向けた郁くんが見れると思うので期待していてほしいです。あれ、質問なんでしたっけ。自分と共通する部分か(笑)。


濱野:それは、みんなを笑顔にしてくれるところなんじゃない? 今日も一人だけ止まったりして(笑)。


石井:たしかに(笑)。人を笑わせるためならどれだけでも体を張りますよ、という姿勢はかなりリンクしているかもしれません。


ーー逆に郁へ憧れる部分はありますか?


石井:オーディションに対しての心持ちですね。「絶対勝つぞ、周りは全員ライバルだ」と気負いせずに「一緒に楽しもう! 楽しんだもん勝ちだよ!」という姿勢で挑んでいるところを尊敬します。僕は絶対にオーディションに受かりたいですし、落ちたらめちゃくちゃ悔しいと思うので。落ちるまでを一通り楽しめる、郁の心の余裕が羨ましいです。


・「RePlayer’sって、戦隊モノみたいに色も分かれているイメージ」(濱野)


ーーここまではご自身が演じるキャラについてお話いただきましたが、演じるキャラ以外で好きなキャラクターと、その理由についても聞いてみたいです。


生田:今までは、必ず「郁くん」と答えていましたが、最近は慧ーーというより慧とアキラ(慧が豹変して現れる別の存在)がどんどん好きになっていて。一緒に収録をしていても、2人が入れ替わるのをなぜか面白く感じてしまったりして。最近は収録があるごとに、一番に慧とアキラのセリフを見て「この人は頭の中でどういう思考の切り替えをしているんだろう」「そもそも本当に2人なんだろうか、演劇をやっていたという経歴もあるし、実は演じているだけなんじゃ……」みたいなことを妄想していたりします(笑)。


佐香:僕はずっと瑞人さんが好きで。慧とアキラが入れ替わっていると「慧……いや、アキラか?」と話しかけてくるんですけど、それが面白くて(笑)。


濱野:”アキラソムリエ”感を出してるよね(笑)!


佐香:慧とアキラは瑞人さんといる時間が1番多いと思うので、良くも悪くも理解してくれているのかなと思いますし、そういう大人の余裕がすごく好きですね。


濱野:次は僕ですね。RePlayer’sって、ある種、戦隊モノみたいに色も分かれているイメージがあって。郁くんはお調子者のイエローで、隼弥くんがザ・主人公なレッド、瑞人は大人的な立ち位置のブラック……みたいな。そんななかで、慧とアキラは“シルバー”感があるというか。シリーズによっては敵だったり味方だったりするし、どこか謎めいた一面があったり、後半の鍵を握っていたりする、みたいな。特に今回の作品はこの先への伏線が散りばめられていて、各キャラの意外な一面を見ることができるのですが、慧とアキラの存在がみんなにどう影響を及ぼすのか、というのが個人的にはすごく興味深いです。


石井:僕はずーっと、瑞人さんが好きなんです。一番色気がありますし、佐香さんが言ってたように、色んな話題へのノリも良くて、みんなのことを気遣っていたりもする。あと、これはそのうち音声で聞きたいなと思っているんですが、Twitterで公開しているRePlayer’sたちのLINEでのやりとりが面白くて。そこで(孔雀石)麗司が言ってた「瑞人さんの過激下ネタ」がすごく気になっているんです。僕自身も「もっと瑞人さんから大人の経験を学びたい!」っていつの間にか思ってしまっているんですよ(笑)。


ーーありがとうございます。皆さんの相関関係がわかったところで、今回リリースされる『ReFlap Chasing RePlayers’Collection』についても聞かせてください。まず、1曲目の「Beautiful Revenger」は、サビにK-POP的なニュアンスを感じつつ、Aメロ部分では三連符のフロウが入ってきたりと、歌いこなすのが難しい印象です。


生田:僕も最初は「難しいな」という印象でした。こういう路線の曲はあまり歌ってこなかったですし、英詞も多いから発音も大変で。発音の部分は仮歌をとにかく聴き込むことでクリアしたんですが、リズムの部分が最後まで難しかったですね。


ーー三連符って、リズムとして身体に染み付いてないと、なかなかナチュラルには出ないですよね……。


生田:普通のシンコペーションのように、日本人が取りやすい方のリズムばかりやってきたので、どうしても難しい側面はありましたが、徹底的に練習して身体に染み込ませることができました。あと、気をつけたのは自分らしさと隼弥らしさのバランスですね。ディレクションでも、今回は4人がある種“負け犬”のような立ち位置で、そこから這い上がって勝ち抜かなきゃいけないという闘志めいたものを出していこうと言っていただいたんですが、隼弥に寄せすぎでもいけないなと思って、隼弥っぽさに自分らしさを乗せていくイメージで歌いました。普段だとある種演じるように歌うんですけど、そうでないやり方を選んだぶん、曲の重みが増しているように感じました。


佐香:僕も、普段はこういう強いワードや言い回しを歌うことってあまりなくて。自分が生きてきた中で言ったことがない言葉ばっかりですからね(笑)。自分名義で歌う曲として「Beautiful Revenger」が上がってきたら、上手に歌いこなせる自信がないんですけど……この『ReFlap』というバックグラウンドを踏まえて、そこに鴎端慧とアキラの力を借りることで、すんなり言葉が入ってきました。自分の人生ではこの言葉に意味を持たせてあげられないんですけど。慧とアキラの2人の人生を借りれば、こんなにも言葉に気持ちが込められるんだと気づけたのは大きかったし、楽しかったです。


濱野:楽曲のことに関しては、やっぱり2人が深いことを言ってくれますね(笑)。僕は、瑞人として歌うことも踏まえつつ、曲は結構難しい上にすごくエモーショナルだったので、綺麗に歌うよりも一生懸命歌うことを意識しました。


石井:僕も濱野さんと同じになっちゃうんですけど、とにかく聴いた瞬間は「難しい曲だな」という印象で。声優として色んなコンテンツでキャラクターとして歌う機会はもちろんあったんですけど。『ReFlap』は最初の「Entertain」の時点で「おお、レベルが違うな……」と感じました。そこからさらにステップアップしていってるなっていうのをすごく感じて、いつも以上に聴き込んだ上で、直接的な歌詞を郁くんとしてどう表現するのかを気をつけながら歌いました。


ーー確かに、『ReFlap』の曲は全体的にレベルが高いですね。


濱野&石井:そうなんですよ(笑)。


石井:ただ、最初は「すごい暗い曲だな」とも思っていて。一度負けた側の人間だからこそ暗さなのかなと考えたんですが、四人の歌声が合わさった完成形を聴いた時に、僕らの「負けたくない」という気持ちが乗っかったことで、明るさや彩りが増したようにも感じましたし、よりいい曲だと思うようになりました。


・「僕は隼弥と同時にステージに上がってみたい」(生田)


ーーそんな”再起”の気持ちが込められた「Beautiful Revenger」とは対照的に、勢いはあるもののどこかチルな鍵盤のフレーズが印象的な「Believers」についても聞かせてください。


生田:歌を歌う時って、普段は主人公として歌詞の世界を表現するのに徹することが多いんですけど、「Believers」は歌詞と曲をあわせて聴いた瞬間に、演じる演じないとかそういう次元ではない、もう一つ向こう側の自分ーー心の奥の深いところに刺さったんですよ。なので、普段だったら絶対にしないんですが、自分で仮歌をとって、ミックスや修正もして、自分でちゃんと聴ける状態にしたんです。失恋した時に、失恋の曲へどんどん入り込む……みたいなのに近いような感じというか。


ーー何がそこまで生田さんを駆り立てたのか興味深いです。


生田:曲も良かったんですけど、一番は歌詞の内容ですね。隼弥や他の3人が抱えてる気持ちでもあるんですが、何より自分のことのようにシンクロしたことが大きかったです。ただ、僕の心の中でシンクロしない箇所が1つだけあって。それがサビの部分なんですけど……。


ーー曲の中でも一番前向きになる部分じゃないですか……。


生田:そこまではネガティブなことを言っていて、サビで〈何度でも起き上がって歩き出す Cause I’m Believer〉と立ち上がる構成だと思うんですけど、僕の中では「起き上がりたくても起き上がれない自分を、俯瞰的に見て泣いてる」という解釈だったんですよ。隼弥として歌うならその解釈は一回捨てて、ストレートな形で寄り添わなきゃいけないと思ったんですけど、レコーディングのときに「自由にやっちゃってください」と言っていただいて。ならばと思って、普段のように分割で録らずに、ツルッと一気に歌ったテイクを使用してもらいました。そういう心の置き方や、エピソードもひっくるめて、すごくこの曲が好きなんです。


佐香:僕は、この曲を最初に送っていただいたときは、確か外にいたんですよ。音源が聴けなくて、歌詞だけを見ていたんですけど、結構ネガティブな言葉が多いなという印象で。「どういう風に歌えばいいのかな、ただ力強く歌うだけだと、それはそれで違うんじゃないかな」とも思いました。実際にメロディを聴いてからは、サビの部分のシンプルだけど純粋な感じが、『ReFlap』らしさを出すうえでも一番大事なんじゃないかと思ってレコーディングに臨みました。実際完成したものを聴いた時に「やっぱり皆さんすげーな!」と驚きましたし、「勝ち上がった3人よりも、この4人の方が絶対いい曲だ」と自信を持って言えるようになりました。


濱野:さっきの「Beautiful Revenger」は一生懸命歌ったと話しましたが、「Believers」は4人がそれぞれ違った感情で歌っているような印象を受けたんです。歌詞を誰の視点で見るかによって、捉え方が変わってくるというか。瑞人としては、失うことをどのキャラクターよりも多く経験している人なので、「失ったあと、そこから盛り返そうとするけど、そんななかでも失ったものを振り返ったりする自分もいる」というようなイメージで歌いました。


石井:「Believers」は「やっぱり、あの時こうしていれば良かったな」という後悔や、それぞれの抱えているものが歌詞へ強く出ている印象で。それぞれの歌詞やソロパートが、すごくキャラクターとリンクしていて。すごく切ないからこそ、サビのシンプルな〈歩き出す〉というエモーショナルな歌詞がグッとくるし、佐香さんが言うように、3人には絶対に負けない曲になっていると思います。


ーー隼弥、慧、瑞人、郁と同じように、みなさんも曲を通してグッと前を向いていることが伝わるいいエピソードでした。現状、『ReFlap』はInstagramやYouTube、TwitterなどのSNSも活用していて、1つのプラットフォームに依存しない希有な形を打ち出していますが、そのうえで「これを使って、こういうことがやってみたい」というものがあれば、お伺いしてみたいです。


生田:リアルイベントでは隼弥がステージに立って僕が裏にいることが多いんですけど、僕は隼弥と同時にステージに上がってみたいです。キャストのみんなとRePlayer’sが映像やステージで一緒に何かをするというのは、システム的に難しいかもしれませんが、新しいし面白いので、いつかやってみたいですね。そうすることで、ある種“中の人概念”みたいなものも取っ払えるかもしれないですし。


佐香:僕は、まだあんまり絡んでないキャラ同士の絡みを見たいです。例えば、慧とアキラは(五百雀)玲於奈とあまり一緒に居るところを見ていなかったりするので、RePlayer’sのなかで化学反応が起きそうな人同士を「バトらせてみたい」と思っています。あえて喧嘩しそうな組み合わせとかも見てみたいですね(笑)。


濱野:コンテンツ内の企画として考えると、支配人からのミッションみたいなものをみんなでクリアする展開も見てみたいです。全員が競争相手という『ReFlap』の企画からは外れてしまうかもしれませんが、停電時のエピソード(7/1発売予定『ReFlap Rising RePlayers’Collection』収録)のように、全員が同じトラブルに巻き込まれることで、面白い絡みや素の部分が見えたりもしますし、普段強がってる人が全然使い物にならない、みたいな展開も楽しみで。あとは、キャストで座談会企画もやってみたいです。ここまで演じてきたからこそ、改めてみんなで話すことで、新たな発見があるような気がしているので。


石井:僕も座談会はやってみたいですし、自分の演じるキャラクターとの対話もやってみたいです。あとは単純に『ReFlap』の楽曲が好きなので、この音楽をもっと世に知らしめたいですね。


ーー郁の”芸人”というキャラクターを考えると、2人で掛け合いみたいなことをやっても面白そうです。


石井:2人とも声が一緒なんですけどね(笑)。あ、やってみたい企画、もう一つありました! それぞれのキャラクターと同じ職業の人と対談してみたいです。、天津の向(清太朗)さん(※2019年11月2日開催『ReFlap KICKOFF Meeting』のMC)と郁の対談をやってみたいですし、麗司なら歌舞伎町のホストの方とお話すると面白そうです。


濱野:向さんと対談するときは、(相方:木村の)詩吟ネタを覚えていこうよ。


石井:エロ詩吟、今から練習しておきます(笑)。


(中村拓海)