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エマ・ワトソン、ケリング社の取締役に 高級ブランドの環境問題に取り組む

2020年06月19日 14:11  Techinsight Japan

Techinsight Japan

ケリングの取締役とサステナビリティ委員会会長に就任したエマ・ワトソン(画像は『KERING 2020年6月16日付Instagram「Kering is proud to announce that Emma Watson is joining its Board of Directors, alongside Jean Liu and Tidjane Thiam.」』のスクリーンショット)
女優で活動家のエマ・ワトソン(30)が、グッチやサンローランなどの高級ブランドを傘下とするコングロマリット、ケリング社の取締役に抜擢された。エマは取締役のほか、ケリングのサステナビリティ(持続可能性)委員会の会長にも就任することになった。

フランスを拠点とするケリング社は、現地時間16日の株主総会でエマ・ワトソンが取締役に就任することが承認されたと発表した。今年3月に開催した取締役会では、エマの名前が候補として提案されていた。取締役にはエマのほか、中国のライドシェア(相乗り)企業「滴滴出行(ディディチューシン)」の最高経営責任者ジーン・リウ氏(Jean Liu)とスイスの金融機関「クレディ・スイス(Credit Suisse Group AG)」でCEOを務めたティージャン・ティアム氏(Tidjane Thiam)の2人も就任した。

エマはサステナビリティのコンサルティング企業「エコ・エイジ(Echo Age)」によるレッドカーペットイベント「グリーン・カーペット・チャレンジ」で、カルバン・クラインとコラボしたエコなドレスを着て参加、2016年のメットガラではペットボトルで作られたカルバン・クラインの多機能な衣装を着て参加するなど、サステナブル(持続可能)なファッションへの取り組みを積極的に行っている。さらにエマは、消費者がアパレルブランドのサステナビリティの評価を確認できるアプリ「Good on You」のサポーターでもある。

ケリング社は、サステナビリティに配慮した取り組みが行われていないとして度々批判に晒されてきた。そのため環境に関する活動を行うエマが、ケリングの傘下であるグッチ、サンローラン、アレキサンダー・マックイーンといった高級ブランドの環境への影響の監視を手助けし、手腕を発揮することになる。

2014年にUN Women親善大使に任命されたエマは、すべてのジェンダーが参加してジェンダー平等を推進するムーブメント「ヒーフォーシー(HeForShe)」をローンチした。この活動により、彼女は米タイム誌が毎年発表する「世界で最も影響力のある100人」の2015年のリストで、堂々と1位を獲得。2019年にはフランスのエマニュエル・マクロン大統領の招待により、G7のジェンダー平等諮問委員会に出席した。

映画業界においては、ハリウッドでのセクハラ撲滅運動「タイムズ・アップ(Time’s Up)」をイギリスに持ち込むことに関わってきている。2019年には「Time’s Up UK」と女性の権利を支援する非営利団体「ライツ・オブ・ウィメン(Rights of Women)」と共同で、イングランドとウエールズで働く女性のための無料ホットラインをローンチするなど、活動家としての知名度も高まっている。

画像は『KERING 2020年6月16日付Instagram「Kering is proud to announce that Emma Watson is joining its Board of Directors, alongside Jean Liu and Tidjane Thiam.」』『Emma Watson 2014年9月24日付Instagram「Executive Director of UN Women Phumzile Mlambo-Ngcuka and I!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)