2020年06月19日 10:31 リアルサウンド
人気バトロワゲーム『フォートナイト』で新シーズンが開幕した。新シーズンではゲームの舞台となる島の地形が激変しているので、プレイヤーには新たな環境への適応が求められる。新シーズン開幕と同時期に開発元企業の評価額が判明した。
(参考:Travis Scott × フォートナイト『Astronomical』、仮想空間から生まれる”体験”の意味を考察)
・あのDCコミックスヒーローも参戦
6月17日に開幕したフォートナイトのチャプター2シーズン3のテーマを一言で表すと「水」となる。ゲームの舞台となる島の大半が水没してしまったのだ。この水没は、シーズン3開幕直前に開催されたワンタイムイベント「ザ・デバイス」において起こったストームの襲来が原因となっている。
島が水没したことに伴い、以下のような新たなプレイ要素が追加された。
・水中で泳いでるサメをフィッシングフック(釣り竿)でつかまえると、水上スキーにのるようにして移動することができる。
・隊列を組んでプレイヤーを襲撃する新bot「マローダー」が追加された。同botは統制がとれた集団攻撃をしかけてくるので、前シーズンで登場したbot「ヘンチマン」より手ごわい相手だ。
・空中の降下時に使うグライダーの一種「アンブレラ(英単語の「umbrella:傘」に由来」)」のデザインをカスタマイズできる。プレイヤーのレベルに応じて、カスタマイズできる箇所と内容が変わる。
・新シーズンが進むにつれて水が引くと、新たなロケーションと移動手段が現れる。
さらに新シーズンでは、DCコミックスのヒーローであるアクアマンとのコラボが実現した。このコラボは、水をテーマにした今シーズンにふさわしいものと言える。ちなみに、前シーズンではマーベル・コミックのデッドプールとコラボした。アメコミヒーローとフォートナイトのコラボは、今後恒例のものとなるかも知れない。
・プレイスタイル激変の予感
スポーツ系メディア『ESSENTIALLY SPORTS』は17日、ゲームフィールドが激変した新シーズンに対するツイッターでの反応をまとめた記事を公開した。その記事では、有名プレイヤーであるNinjaのツイートが引用されている。そのツイートでは「フォートナイトでこんな風に感じることはしばらくなかった」とつぶやいて、戸惑いを隠していない。その戸惑いの原因は、新シーズンで追加されたアイテムである。とくにチャージすることによって大ダメージを与えることができるチャージショットガンの登場は新たなプレイスタイルの追加を引き起こす、とNinjaは考えているようだ。
チャージショットガンはショットガン史上最強の呼び声がある一方で、その大ダメージゆえにゲームバランスを崩す無用の長物とみなすプレイヤーも少なからずいるようだ。
新シーズンではこれまで主戦場となることが少なかった水場での戦闘が多くなることを加味すると、フォートナイトの古参プレイヤーであっても新たな環境に適応する努力が必要になると考えられる。
・北米プロサッカーリーグの2倍以上
フォートナイトの新シーズンが開幕した17日、フォーブスジャパンはフォートナイトの開発元であるEpic Gamesの評価額が170億ドル(約1兆8,000億円)に達したことを報じた。同社は、この評価額にもとづいて7億5,000万ドル(約800億円)の資金調達を画策している。
以上のようなEpic Gamesの高評価の背景にあるのは、登録プレイヤー数が3億5,000万人を超えるフォートナイトの繁栄だ。さらに、同社が提供するゲームエンジン「Unreal Engine」の存在も高評価に貢献している。
フォーブスジャパンの記事では、170億ドルというEpic Gamesの評価額の価値を明らかにするために、北米プロサッカーリーグのMLS(Major League Soccer)の市場価値を引き合いに出している。26のサッカークラブが参戦しているMLSの市場価値は、75億ドル(約8,000億円)である。Epic GamesはMLSの2倍以上の価値があるというわけなのだ。
ビジネス系メディア『VentureBeat』もEpic Gamesの評価額を報じており、その記事では同社の直近の業績も伝えている。周知の通り、コロナ禍の影響で多くの業界が打撃を受けているなか、ゲーム業界は活況を呈している。Epic Gamesも例外ではなく、4月だけの収益が4億ドル(約430億円)であった。ちなみに、同月には数々の記録を樹立したフォートナイトのゲーム内イベント「Astronomical」が開催された。
フォートナイトのチャプター2シーズン3では大きな変更が生じたことで賛否両論となっているが、大きな注目を集めているとも言える。さらに、今後ゲーム内イベントスペース「Party Royale」でのコラボイベント開催も予想されることから、同ゲームは文化的インフラの役割も果たすと見られる。こうした一連の動向は、開発元のEpic Gamesの評価を盤石なものとするだろう。
(吉本幸記)