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サンドウィッチマン・伊達みきおがカツ丼を食べているだけの動画、なぜ人気? 濃縮された魅力を分析

2020年06月19日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイルより

 お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおが、所属事務所・グレープカンパニーの公式YouTubeチャンネルに投稿した「食事動画」が急上昇ランキングを賑わすなど人気を博している。


(参考:狩野英孝がYouTubeで語った“芸歴17年で最もつらかった仕事” 「あれは終わったなと……」


 6月16日に放送されたラジオ番組『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)にサンドウィッチマンの2人がゲスト出演した際、グレープカンパニーのYouTubeチャンネルが好調だという話題になった。その際、同番組アシスタントのフリーアナウンサー・竹内香苗が「伊達さんがかつ丼食べてる映像がめっちゃ好きです」と告白。その発言を受けて伊達は「これ、富澤(たけし)の指示で、『とりあえずご飯を食べてる映像をYouTubeに上げたい』と。『なんだそれ?』って言って。俺は『5回くらいしか再生されないと思うよ』って話をしたら、今、70万人近いんです」と語った。


 さらに竹内アナは「常々、富澤さんが伊達さんのことを『面白い』って言ってるのはこういうことかと。普通の伊達さんが面白い。キョロっと(カメラを)見たりする感じとか、『誰が観てるの?』っていう言い方とか」と熱弁。伊達から「竹内さん、何が良くてあれ見ました?」と問われると、竹内アナは「説明するのが難しい。佇まいというか、様子が……」とうまい言葉が見つからないようだった。


 この話を聞いたパーソナリティの伊集院光は「全然伝わらない」「そのへんのチェーン店行けばかつ丼食ってるオッサンいっぱいいるよ!?(笑)」と理解できないといった口ぶり。伊達自身も「なんでこんなに観られているのかわからない」と困惑していることを明かした。


 その後、伊達が「今日中にもう1個、天丼を食べてる私が上がると思うので、ぜひご覧ください」と宣伝すると、伊集院は「(かつ丼動画と)変わらないと思うけどなぁ~(笑)」と笑っていた。


 こうして同日投稿された「味をしめたサンドウィッチマン伊達 今度は天丼を食べるwww」は39万再生(6月18日時点)を記録。第1弾の「サンドウィッチマン伊達がただカツ丼を食べるだけの動画www」が74万再生(6月18日時点)なので、2本合わせて軽く100万再生を超えていることになる。


 伊集院が奇妙に思うのも無理はない。この動画、竹内アナが苦労していたように、言葉で魅力を伝えるのが非常に難しい。カツ丼動画が2分30秒、天丼動画が4分なので、実際に動画を見たほうが早い。見れば面白さがわかるはずだ。


 あえて言葉で魅力を説明するのであれば、「伊達の持つ“可愛らしさ”が濃縮還元されている」とでもいうべきか。


 動画の中で、伊達は「これ誰が観るの?」「なんなのマジで」「すごい暇な人だと思うよ、これ観てる人」「どういうつもりで撮ってるんだよ、忙しくなってきてんだよ、こっちも」とボヤくなど、終始企画に対して懐疑的。しかし愚痴を言いながらも、黙々とかつ丼や天丼を食べていく。それだけでなく、動画を成立させるために、「とんかつは一番端っこが好きです」「オールスター天丼弁当……オールスターって何がオールスターなんだろう?」「タレが沁みてるところがいいね」と律義に食レポを挟んだりする。そして、「富澤の指示ですから」「富澤は?」と、二言目には相方の名前。


 コワモテながらも常識人でサービス精神旺盛、さらにはコンビ仲良好というサンドウィッチマンの魅力が、伊達一人の食事風景で表現されているかのようだ。しかも、その模様をなぜかマルチアングルで撮影し、邪魔にならない程度のテロップや効果音で味付けを加えているあたりも心憎い。


 コメント欄には、「なんかよく分からんが見れてよかった」「天丼を食べてるだけなのに癒されていく…なんだろうこのチカラは…」「富澤さんが一番見て喜んでる姿が想像できるw」「なぜ撮られてるのか疑問に思いながら食べてるの面白すぎ」「なんで見てるんだろうって気持ちはあるけど見終わったらまた見たいって気持ちになってる。次回も期待してます」など、不思議な引力を感じている旨の声多数。次はどんなものを食べて我々視聴者を楽しませてくれるのか、期待して待ちたいところだ。


(こじへい)