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累計160万部突破 カミュ『ペスト』マンガ化決定 Bバンチにて連載スタート

2020年06月19日 00:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 フランスのノーベル文学賞作家アルベール・カミュの代表作『ペスト』がマンガ化されることがわかった。『フロイデ』、『嫁はBL漫画家』などを手がけた車戸亮太が漫画を担当し、6月19日よりwebコミックサイト「Bバンチ」にて連載がスタートする(https://www.comicbunch.com/manga/bbunch/peste/)。


関連:【画像】漫画化された『ペスト』サンプルページ


 原作となる『ペスト』は、『異邦人』に次ぐカミュ2作目の小説。当時フランス領だったアルジェリアのオラン市でペストが発生。封鎖された孤立状態のなかで、ペストという目に見えない敵、人間性を蝕む不条理に直面した市民たちの戦いを描いた。


 新潮文庫版の『ペスト』は、新型コロナウィルス感染拡大を受け関心が高まった結果、2月以降だけで12回、36万4,000部を増刷し、累計発行部数は160万部を突破した。新潮文庫版の刊行は1955年で、60年以上にわたって読まれ続けているが、近年の増刷は平均で年間5,000部程度。4カ月で一気に70年分以上の数が読まれたことになる(※累計発行部数は旧版、新版、電子版合計)。


 全国の主要書店でも文庫部門ベストセラー1位にランクイン(紀伊國屋書店新宿本店、同梅田本店、丸善丸の内本店など)。海外メディアによると、イタリアやフランス、イギリスなどヨーロッパ各国に加え、アメリカや韓国でもベストセラーになっており、『ペスト』の読者急増は世界共通の現象と言える。


■作画担当・車戸亮太コメント


『ペスト』を読むと不安が和らぎました。今、僕らの周りで起きている色んな混乱が、約70年前に書かれた小説の中で同じように起きていました。僕にとっての“ペスト”とは何かと考えた時に、自分の中に巣食う不安や混乱だと思いました。それらと対峙する手段はマンガを描くことです。今回のマンガ化でより多くの人たちに『ペスト』を知って欲しいと思います。そして少しでもみなさんの不安を和らげることが出来れば幸いです。