2020年06月18日 14:11 弁護士ドットコム
宮城県仙台市の上空に「謎の飛行物体」が現れた。6月17日朝、白い球体のような「もの」が飛んでいるという報告や、「UFO?」などの憶測がSNSで飛び交った。現地メディアの報道によれば、高度3000メートル以上を浮遊していたという(6月18日配信・河北新報ONLINENEWS)。
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多くの問い合わせが寄せられた仙台管区気象台でも「不明」としており、正体はいまだ謎に包まれている。これが宇宙人による仕業かどうかの結論も宙に浮いたままだが、ドローンや気球など人為的な飛行物体だとすれば、飛ばすためにはどのような手続きが必要なのだろうか。
ドローンは航空法上、「無人航空機(重量200グラム以上)」に当たる。同法上の「飛行禁止空域」(空港等の周辺、地表・水面から150メートル以上の空域)や、人または家屋の密集する地域上空で飛行する場合には、国交省の許可・申請が必要となる。
航空機の航行の安全に影響を及ぼす可能性や、落下した場合に地上の人などに危害を及ぼす可能性が想定されている。なお、人口集中地区は航空局のホームページから確認できる。
これらに該当しない空域でも、夜間などの飛行や、農薬物散布等の飛行、スポーツ大会など特定の場所や日時に多数の人が集まる催しが行われる場所上空の飛行などについては、申請して承認を受ける必要がある。
これらに違反した場合、50万円以下の罰金が科せられる可能性がある。
報道によれば、飛行物体は仙台市付近の仙台空港周辺でも確認されたが、国交省仙台空港事務所への申請はないそうだ(6月17日配信・JIJI.COM )。許可がなければ飛行させることはできない。
ドローンと同様に、気球であっても、空港等の付近を飛ばす場合には事前に許可や承認を受ける必要がある。
また、ドローン(重量を問わない)や気球(操縦装置を有するもの)を国会議事堂や最高裁など重要施設およびその周囲300メートルの上空で飛ばすことも「小型無人機等飛行禁止法」で禁じられている。飛行においては施設管理者の同意とともに、公安委員会への通報が必要だ。