女性ドライバーのみで争われるフォーミュラカーシリーズ『Wシリーズ』の初代チャンピオンであるジェイミー・チャドウィックは、オーストラリア人のビジネスマンでRodin Carsの創設者デビッド・ディッカーから支援を受けることになった。また、プレマ・パワーチームからフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権へ出場することも決定した。
フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権では、Wシリーズと2019/2020年のアジアF3シリーズで使用したのと同じタトゥース製のシャシーとアルファロメオのエンジンを使用する。チャドウィックのチームメイトは、F4から昇格したアーサー・ルクレール、ジャンルカ・ペテコフ、オリバー・ラスムッセンだ。
イギリス出身のチャドウィックは、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権を戦い、その後プレマからFIA-F3とFIA-F2へ参戦することを目指す。今年もウイリアムズF1の開発ドライバーを務める彼女は、“2023年か2024年までに”F1に昇格することを願っているという。
「本当に夢が実現しようとしているのです」とチャドウィックは『BBC』に語った。
「もし予算が少なければ、プレマのようなトップチームからレースに出ることはできませんし、パフォーマンスを発揮してF1にふさわしいことを証明する最高のチャンスを得ることもできません」
「モータースポーツで恐ろしいことは、財政的支援が必要だということです。それは並外れた金額になります。でもプレマでレースをするチャンスを得て本当に興奮しています」
Wシリーズ制覇によって50万ポンド(約6700万円)の小切手を受け取ったチャドウィックだが、予算については「F3に出るとすると、私がWシリーズで得た賞金の倍の金額が必要です」と明かした。
チャドウィックは今年初め、ニュージーランドでRodinのマシンをテストした後、ディッカーの支援を獲得したという。
「ジェイミーには並外れたレースの才能がある」とテクノロジーの分野で富を築いたディッカーは語った。
「我々は長期的な視点を持ち、彼女がF1への“ハシゴ”を登っていくための旅路を完全にサポートする」
ディッカーが創設したRodin Carsは、レース向けの高性能マシンを製造に着手することになっており、マシン開発にチャドウィックの助力を頼むつもりだ。
なお残念ながら、Wシリーズは新型コロナウイルスのパンデミックにより、2020年シーズンの全レースの中止を余儀なくされた。これにより2020年シーズンは、eスポーツの新シリーズ『W Series Esports League』で戦うことになる。