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人種差別の根絶へ向け、米テクノロジー大手GAFAが共闘

2020年06月17日 12:02  リアルサウンド

リアルサウンド

Pexelsより

 白人警官が無抵抗の黒人男性を暴行死させた事件を受け、アメリカで大々的な抗議運動が展開され、来たる大統領選にも影響を与えかねない状況になっている。そんななか、米テクノロジー大手企業のGAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)も、それぞれに人種差別根絶に向けた取り組みを表明した。


(参考:Netflix、YouTube、Amazon……大手動画プラットフォームがBlack Lives Matterで示した団結と、その戦い方


・Appleは100億円超の巨額予算を投下
 『The Verge』は、Appleの取り組みを紹介(参考:https://www.theverge.com/2020/6/11/21287999/apple-racial-equity-justice-initiative-amount-cook-lisa-jackson)。CEOであるTim Cook氏は、動画メッセージ付きで、下記のようにツイートしている。


「人種的正義と平等は成し遂げられておらず、私たち誰しもが責任を求められています。いま、これらは変革を必要としており、Appleはその力になることを約束し、1億ドル(約100億円)を投じます」


 Appleは、教育、経済的平等、刑事司法改革に焦点を当て、有色人種の平等を促進する取り組みを発足させ、その責任者にはLisa Jackson氏が就任すると報じている。


 バラク・オバマ前米国大統領の下で環境保護にも取り組んだエンジニアである同氏は「コミュニティの平等と正義のために戦うことが、環境保護主義者としての私のキャリアの原動力でした。私はこれからも、Appleの『人種間の平等に関する取り組み』をリードしていきます」とツイートしている(参考:https://twitter.com/lisapjackson/status/1271114748919074819)。


 今後、Appleは、サプライチェーン全体の黒人パートナーに対するサポートを厚くし、黒人の開発者や起業家を育成するキャンプを計画しているという。


・YouTubeも100億円超で黒人クリエーター・アーティストを支援
 YouTubeは、Appleと同額の1億ドル(約100億円)を投じて、黒人クリエーターやアーティストの声とそのストーリーを拡大・発展させる取り組みを今後、複数年にわたり行うことを発表した。


 『Variety』は、YouTubeOriginals(YTO)がライブストリームの募金イベントも企画したと伝えている(参考:https://variety.com/2020/digital/news/youtube-100-million-fund-black-creators-artists-common-keke-palmer-1234631840/)。


 また、YouTubeのCEOであるSusan Wojcicki氏は「黒人の命は尊いものであり、組織的な人種差別を根絶させるために、もっと多くのことをする必要があると考えています」と述べる(参考:https://youtube.googleblog.com/2020/06/susan-wojcicki-mid-year-update-2020.html)。


 YouTubeは2019年に、より厳格なヘイトスピーチ・ハラスメントポリシーを導入し、人種、性別、宗教、性的指向に基づいて優劣を主張する動画は禁止されており、直近の四半期だけでも、10万件を超える動画と1億件を超える嫌がらせコメントを削除したという。


 GAFAを構成する他の大手テクノロジー企業では、例えばYouTubeを傘下に置くGoogleは、人種的不平等に取り組む組織に1200万ドル(約12億円)の寄付をすると発表した。また、FacebookとAmazonもそれぞれ1000万ドル(約10億円)の寄付を明言している。アメリカのテクノロジー業界は、人種差別の根絶に向けて、一致団結しているようだ。


(■Nagata Tombo)