2016年のF1チャンピオン、ニコ・ロズベルグは、シーズン休止期間中に多くの時間をオンラインレースに費やしたF1ドライバーは、7月に開催される開幕戦でライバルよりも優勢になる可能性があると考えている。
コロナウイルス感染症のパンデミックにより、F1シーズンが休止している間に、バーチャルレースが大きな盛り上がりを見せた。ドライバーたちは、自らのスキルを維持し、ファンを楽しませるために、積極的にシムレース活動に乗り出した。
F1は休止期間中に公式バーチャルグランプリシリーズを創設し、F1現役ドライバーの約半数が参戦した。長期間にわたってシーズンがストップしていたが、バーチャルレースに参戦していたドライバーたちは、7月のオーストリアGPでシーズンが再開した際に、すぐに力を発揮できると、ロズベルグは考えている。
「もし僕が今もレースをしていたら、毎日シミュレーター上で何時間も過ごしていただろう」とロズベルグは語った。
「多少なりともスキルを鍛える上で役に立つと思う」
「たとえば、ロジャー・フェデラーがテニスコートで5カ月間練習しなかったら、復帰後の初試合は散々なことになるだろう。スキルレベルの点で言えばF1ドライバーも同じことだ」
「シミュレーターでは、スキルの一部を鍛えて、少しばかりレベルを上げることができると思う。だから僕だったら最大限活用する」
「(シーズン序盤には)面白いものが見られるだろう。シミュレーターを積極的に使っていたドライバーと、そうでもないドライバーがいる。レースが始まった時に、シミュレーターを使ってきたドライバーたちにアドバンテージがあるかどうか知りたいところだ」
「僕は、彼らにアドバンテージがある方に賭けるよ」
ロズベルグは、個人的な経験として、長期間にわたってマシンから離れていた後に復帰した際のことを語った。
「冬の休暇後に行った初走行のことをはっきりと覚えている。冬の休暇は通常、3カ月だけで、今回のように5カ月も続いたわけではないけどね」とロズベルフは説明した。
「復帰後、初めて走行すると、自分の能力と集中力がどれだけ減っているかに気付く。速く走るためだけに最大限の力を発揮してしまって、何かを記憶したりセッティングに取り組んだりする余裕がなく、自分が錆びついていると感じるんだ」
「彼らも同じように感じるだろう。少しのことでも助けになることは確かだよ。ランド(・ノリス)がやっている、ゴーカートのようなことでもだ」
「最大限の準備をしたドライバーが、アドバンテージを得ることになると思う」