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大富豪がロッキー山脈に隠した2億円相当のお宝、10年の時を経てついに発見される

2020年06月15日 05:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

ロッキー山脈にお宝を隠した大富豪の男性(画像は『Washington Post 2020年6月9日付「The decade-old quest for a hidden treasure chest is over. The millionaire who hid it says it was just found.」(Jeri Clausing/AP)』のスクリーンショット)
日本でも徳川埋蔵金が有名なように世界各地には様々な財宝伝説が伝わっており、トレジャーハントに人生を懸ける者も多い。このたびアメリカの大富豪が、10年前に隠した2億円相当の宝箱がついに発見されたことで話題を呼んでいる。『Washington Post』『The New York Times』などが伝えた。

宝探しの発起人となったのは、アメリカ空軍でパイロットとして活躍し、その後は美術商として財を成したフォレスト・フェンさん(Forrest Fenn、89)だ。現在はニューメキシコ州サンタフェに暮らすフェンさんだが、かつて腎臓がんの宣告を受けており、財産は自分が埋葬されるときに一緒に埋めるつもりだったという。しかし幸運にもがんに打ち勝ったフェンさんは2010年に財産を整理しようと思い立ち、13世紀に造られた青銅製の箱に金塊やコイン、ルビー、サファイヤ、ダイヤモンドなど総額2億円超(200万ドル)のお宝を詰め込み直し、ロッキー山脈の標高約1500メートル(5000フィート)に隠すことにした。

フェンさんは自伝の中で、宝探しの目的を「昔の冒険のように、みんなに自然の中に身を投じて熱中してもらいたいから」と明かしていた。

お宝の場所はロッキー山脈のどこかで、2010年出版のフェンさんの自伝『The Thrill of the Chase』に載せられた24行の詩が示すとしており、10年間で約35万人が世界各国からロッキー山脈に足を運んだという。

しかしロッキー山脈での宝探しは危険も多く、これまでに確認されているだけで宝探し中に5名が亡くなっており、ニューメキシコ警察はフェンさんに対してこの企画を中断するように要請した。

これに対し、フェンさんは『The New York Times』に「人が溺れたからと言ってプールの水を抜くかい? 人々には泳ぎ方を教えるべきだろう」と宝探し続行の意思を語っていた。

この10年間、フェンさんには脅迫や「本当は宝など隠していないんだろう」「隠し場所が正確でない」と苦情が届いたり、裁判で訴えられるなどのトラブルに見舞われることもあったという。

しかし今月7日、フェンさんは自身のホームページで「6月6日についにお宝が発見された」と発表した。発見者については本人が匿名を貫いており、唯一の情報はアメリカ東部出身の男性ということだ。この男性からは証拠として、フェンさんが隠した宝箱の写真が送られてきたそうだ。

フェンさんは『Santa Fe New Mexican』の取材に応じ、このように話している。

「発見者については詳しく知らないけど、私が書いた詩が彼を正確に導いたんだ。」
「お宝はロッキー山脈の大自然の木々の中、満天の星の下、10年以上前に私が隠した場所から全く動いていなかった。」
「発見されて嬉しさ半分、追跡が終わってしまって悲しさ半分という複雑な感じかな。」

ちなみにかつてフェンさんに宝探しの中断を要請したニューメキシコ警察では、お宝発見の知らせを受け「これまでに人が亡くなり、何人もが命の危険にさらされてきたんだ。ついに宝探しが終わってくれて嬉しいよ」とコメントしている。

画像は『Washington Post 2020年6月9日付「The decade-old quest for a hidden treasure chest is over. The millionaire who hid it says it was just found.」(Jeri Clausing/AP)』『SnowBrains 2020年6月12日付「Man Who Found Forrest Fenn’s Treasure May Have to Fight For it as 3 Others Claim They Solved Puzzle First」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)