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『あつまれ どうぶつの森』は“第3世代”の序章? 制作者がゲームのソーシャルメディア化明かす

2020年06月14日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『あつまれ どうぶつの森』

 空前のヒット作となった任天堂のコミュニケーションゲーム『あつまれ どうぶつの森』(Animal Crossing: New Horizons)は、『どうぶつの森』シリーズの第3世代に位置づけられていることが明らかになった。


(参考:『あつまれ どうぶつの森』で動物愛護団体がフータに抗議 「魚を開放せよ!」


・京極あやディレクターと野上恒プロデューサーが、スペイン紙に語る
 『Nintendo Everything』は「任天堂が『あつまれ どうぶつの森』をシリーズの第3世代の序章とみなしている」と伝えた(参考:https://nintendoeverything.com/animal-crossing-new-horizons-start-of-third-generation/)。


 これは『あつまれ どうぶつの森』のディレクターである京極あや氏とプロデューサーの野上恒氏が応じた、スペイン紙『La Vanguardia』のロングインタビューを元にした記事(参考:https://www.lavanguardia.com/videojuegos/20200408/48381982560/animal-crossing-new-horizons-nintendo-aya-kyogoku-hisashi-nogami-entrevista.html)。同紙の質問をまとめたのは、書籍『La Aldea Feliz: Un viaje a través de Animal Crossing』(幸福な村:どうぶつの森の旅)の著者パブロ・アルガバ氏という筋金入りの専門家だけに、かなりコアな話が展開されている。


 例えば、「『どうぶつの森』シリーズには、20年の歴史があるが、Nintendo 64から最新のNintendo Switchで、スタイルはどのように変わったか」という質問に対し、京極氏は「『あつまれ どうぶつの森』がシリーズの第3世代の始まりだと思っている」と回答。続けて「最初の『どうぶつの森』には、オンラインプレイ機能がありませんでした。これは、インターネットに接続せずに、非同期でプレイすることを前提につくられました」と、ここが第1世代であることを説明する。


 また「『街へいこうよ どうぶつの森』でオンライン機能が追加され、異なる場所に住んでいる人とも一緒にプレイ出来るようになりました」と、2008年にリリースされた同作からが第2世代であると提言。さらに「『あつまれ どうぶつの森』では、従来の町がないことからスタートするので、一人でプレイしても色々と変化があります。また、以前のように非同期ではなく、同じ島に住んでいる人と同時にプレイできるパーティーモードも追加しました」と、『あつ森』から現行の第3世代に突入していることを明かした。


・第3世代は、ソーシャルメディア?
 京極氏は、第3世代について「新しいNintendo Switchハードウェアで、以前より多くのことが出来るようになりました。例えば、動物の暮らしのより細かい部分を描けるようになったり」とさらに詳しく説明する。


 また「現実世界に似た要素があることで、ゲームが理解しやすくなり、コミュニケーションが促されます。たとえば、スマートフォンはその一つで、村では人々はお互いにコミュニケーションをとることができますし、インタラクションは実際のソーシャルメディアに似ています」と続ける。


 プロデューサーの野上氏は「『あつまれ どうぶつの森』でのコミュニケーションは、個別のものではなく、プレイヤーの行動は他に影響を及ぼしますし、ゲームですがソーシャルネットワークに似ています」と述べる。


 京極氏は「『あつまれ どうぶつの森』が、コミュニケーションに関するゲームであるという事実は、シリーズの歴史を通じて変わらないものですが、コミュニケーション方法の選択肢は、時代やテクノロジーとともに柔軟に変化しています」とシリーズ全体についてまとめている。


 また、野上氏は「根本的な部分は変わっていませんが、時代の変化に応じて、オンライン接続などの様々な要素をとり入れています。『あつまれ どうぶつの森』では、これらの深みをさらに増すべく、変更を加えました」と付け加えている。


 『あつ森』は、地球の裏側でも、相当な盛り上がりを見せている。日本で生まれたゲームながら、海外メディアの報道から本作について見えてくることも、かなりあるようだ。


(Nagata Tombo)