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Appleが“コロナ以降の自撮り”に対応した特許取得 グループ自撮り写真を合成できるように

2020年06月13日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『Patently Apple』より

 Appleが、社会的距離を保ったまま、グループ自撮り写真を撮影できるソフトウェアの特許を取得したことが分かった。今後、この機能がiPhoneやiPadに実装される可能性が出てきた。


(参考:Appleの株価が史上最高値を更新、パンデミックの荒波を乗り越えるか


・集合しないグループセルフィーが可能に
 『Patently Apple』は、アメリカ特許商標庁(USPTO)が、6月2日にAppleが新たに取得した57の特許について発表したと報じている(参考:https://www.patentlyapple.com/patently-apple/2020/06/apple-wins-patent-for-creating-synthetic-group-selfies.html)。


 その中には、合成のグループ自撮り写真を生成できるソフトウェアも含まれるという。


 例えば、合成グループセルフィーは、複数のコンピューティング・デバイス(携帯端末)から取得された「静止画像」「保存されたビデオの画像」「ライブストリーミングの画像」といった個々の自撮り画像を、一つのグループ写真として配置・構成ができるのだという。


 従来であれば、画像編集の専門知識をもった人が、一つひとつの画像を張り合わせて合成させる必要がある。とりわけ、人物と背景を分離し、均一な背景の所に集めるのは面倒な作業だ。


 しかし、このソフトウェアを用いれば、個々の自撮り写真を合成グループセルフィーに自動的に配置できる。この合成グループセルフィーは、個々の自撮り画像をマルチリソースオブジェクトとして保存するため、それを作成したユーザーや受け取り側が、自由に配置換えすることも可能だという。


 つまり、基本的には自動だが、気になるところは微調整もできるのだ。これはかなり利用の幅が広がるツールといえるだろう。


・パンデミックを予見? Appleには先見の明あり
 密集が新型コロナウイルス(COVID-19)のクラスターを発生させる原因になると指摘されていることから、近頃は身近な人々と疎遠になりがちで、オンラインで飲み会を行うことも一般的になった。


 『The Verge』は「友人とソーシャルディスタンス(社会的距離)を維持したまま、グループ自撮りをソーシャルメディアに投稿する手段になる可能性がある」と歓迎している(参考:https://www.theverge.com/2020/6/7/21283143/apple-patent-software-social-distant-group-selfies)。


 今回、Appleが取得した特許は、2018年第3四半期に提出されたもので、発明者は、Jean-Francois Albouze氏だという。今回のパンデミックが発生する前に、まるで社会的距離を意識していたかの様なソフトウェアが発案されていたというのは、驚きだ。


 集合写真を撮影するために、実際に一つのカメラの前に集合する必要がもはやなくなる、というのは画期的だ。新型コロナウイルス以降の世界では、なおさら爆発的にヒットする可能性がある。Apple専用の機能になれば、iPhoneやiPadといったプロダクトの差別化や価値の向上にもつながることだろう。


(Nagata Tombo)