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ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソンら『ハリー・ポッター』原作者の「反トランスジェンダー」発言に反論

2020年06月12日 11:32  Techinsight Japan

Techinsight Japan

ハリポタキャストがJ・K・ローリング氏のツイートを批判
大ヒット映画『ハリー・ポッター』シリーズの原作者J・K・ローリング氏(54)が数日前、反トランスジェンダー的な内容をツイートしたことで波紋を呼んでいる。セレブ含め多くの人がローリング氏の発言を批判したが、同シリーズの主演を務めた俳優ダニエル・ラドクリフ(30)やハーマイオニー・グレンジャー役のエマ・ワトソン(30)もこの物議を醸した発言について言及した。

現地時間6月7日、J・K・ローリング氏は自身のTwitterで「コロナ以降、月経がある人々にとってより公平な世界にするために」という記事をシェアし、次のように記した。

「“月経がある人々”。昔はこれらの人々を表す言葉があったと思うんだけど、誰か知ってる? ウンベン? ウィンパンド? ウーマッド?」

このツイートに、リアリティ番組『Survivor(サバイバー)』に出演したコメディアンでトランスジェンダー男性のジーク・スミス(Zeke Smith)が「やあ! 僕は男だよ! 生理もある! アホみたいな発言はよしてくれ!」と返信した。トランスジェンダーの定義は“主に身体的な性別と性自認が一致しない人”を指し、トランスジェンダー男性であれば月経現象はあるが、トランスジェンダー女性は物理的に月経現象はない。このことからローリング氏の発言は反トランスジェンダー的だと大炎上し、「トランスジェンダー女性は月経がないことから、女性としてみなされない」とも捉えられてしまったのだ。

のちにローリング氏は「もし“性”がなければ、同性愛なんて存在しないわ。“性”がなければ、世界的な女性の立場もなくなってしまう。私にもトランスジェンダーの知り合いがいて彼らを愛している。でも性概念をなくしてしまうことは、多くの人達が人生について意味のある議論をすることができなくなってしまう。事実を言及することは憎まれることではないわ」と述べたものの、火に油を注ぐ結果となった。彼女の発言はトランスジェンダーの人々だけでなく、ハリポタファン達の心を深く傷つけてしまったという。

この物議を醸した発言に、ハリー・ポッターを演じた俳優ダニエル・ラドクリフも反応。LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア)の若者の自殺を防止しサポートする非営利団体組織「The Trevor Project(トレバー・プロジェクト)」のブログでローリング氏の発言に触れ、次のように綴っている。

「トランスジェンダーの女性は“女性”です。これに反する主張はどんなものであれ、トランスジェンダーの人々のアイデンティティと尊厳を消し去ってしまう。またジョー(ローリング氏)や僕よりも、この問題についてはるかに多くの経験のある専門家からの全てのアドバイスにも反している。『トレバー・プロジェクト』によると、78%ものトランスジェンダーやノンバイナリー(男性でも女性でもない性)の若者達が、彼らの性アイデンティティによる差別で苦しんでいる。だから僕達は彼らを傷つけたり、アイデンティティを失ってしまわないようにもっとサポートする必要がある。」

そしてダニエル・ラドクリフは、「彼女(ローリング氏)のコメントで傷ついてしまったファンに深く謝罪します」と謝罪の言葉で締めくくった。

またハーマイオニー役のエマ・ワトソンも、Twitterで「トランスの人々は彼らが信じる性として認められ、彼らの生き方を問われたり、否定されずに生きる権利がある」と主張。加えて「私や世界中の多くの人々はトランスジェンダーであるあなた達を尊敬し、あなた自身であることを愛している。この事実を私をフォローしてくれているトランスの人々に知ってほしい」と、女性の権利について訴え続ける活動家らしいツイートをした。

さらに『ファンタスティック・ビースト』シリーズで主演を務めた俳優エディ・レッドメインも、ローリング氏のこのたびの発言には「賛同できない」と公表している。

画像2枚目は『J.K. Rowling 2020年6月7日付Twitter「‘People who menstruate.’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MIE)