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ジョージ・フロイドさん葬儀で熱唱したNe-Yo、パフォーマンス前の挨拶に非難殺到

2020年06月12日 10:22  Techinsight Japan

Techinsight Japan

Ne-Yo、言葉選びを間違えたか(画像は『NE-YO 2019年11月16日付Instagram「You have to screw up in order to learn and get to the next level.」』のスクリーンショット)
米時間9日、歌手Ne-Yoがジョージ・フロイドさんの葬儀に出席し『It’s So Hard to Say Goodbye to Yesterday』のパフォーマンスを披露した。時折声を詰まらせながらも素晴らしい歌声を披露したNe-Yoには称賛が集まったが、オープニングで発した「自分の命を犠牲にしてくれたジョージ・フロイドさんに感謝する」というセリフには大勢の人が違和感を抱いたようだ。

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5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで白人警官におよそ9分間も膝で首を押さえつけられて死亡したジョージ・フロイドさん(享年46)。米時間6月9日には、ジョージさんが人生の大半を過ごしたとされる故郷テキサス州ヒューストンの「ファウンテン・オブ・ プレイズ教会」にて「別れの会 グランドフィナーレ」と名付けられた最後のセレモニーが執り行われた。

遺族や友人、ヒューストン元市長や連邦議会委員、ハリス郡地方検事らおよそ500名の参列者のなかには、ハリウッド俳優のジェイミー・フォックスやチャニング・テイタム、NFL「ヒューストン・テキサンズ」所属のJ. J・ワット選手らが名を連ね、人気オーディション番組『World of Dance』で知られる歌手Ne-Yoもパフォーマーとしてセレモニーに姿を現した。

Ne-Yoは「Boyz II Men」のカヴァーで知られるG.C. キャメロンの楽曲『It’s So Hard to Say Goodbye to Yesterday』を熱唱。時折声を詰まらせたり、感極まって言葉を失ったりしながらもソウルフルなパフォーマンスで参列者の涙を誘った。当日のパフォーマンスはNe-YoのInstagramでも公開されており、

「美しい歌声に涙が止まらない」
「心に響く感動的なパフォーマンス」
「天国のジョージも、きっと喜んでいるはず」

といった称賛コメントが見受けられた。

このように歌唱力やパフォーマーとしての才能は好評だったNe-Yoだが、パフォーマンス前に行った挨拶に関しては真逆の評価がくだる結果となってしまった。

「50の州で同時に抗議デモが行われています。彼は世界を変えてくれました。彼が“より良い世界”へと導いてくれたのです。」
「ですから私はジョージ・フロイドさんに対し、個人的に感謝の気持ちを捧げたいです。私の子供達の未来が安心なのは、彼が犠牲を払ってくれたおかげです。」
「ブラザー、あなたの払ってくれた犠牲に、私は心の底から感謝しています。」

そんな言葉を述べたNe-Yoだが、「犠牲を払ってくれた」という彼の言葉には多くの人が違和感を拭えなかった様子でTwitter上には、

「“犠牲”じゃなくて“殺人”ですけど?」
「使う言葉が間違ってる。」
「“犠牲”だって?!!!!! まるでジョージが、殺されることを志願していたような響きじゃないか。」
「殺人と犠牲はまったく別物。聞いて呆れる。」

といったツイートが後を絶たず、Ne-Yoの言葉選びを非難する声が続出した。「ジョージの死は、犠牲なんかじゃなかった」と同様のコメントが自身のInstagramにも書き込まれると、Ne-Yoはこのように反論している。

「彼の死は犠牲だった。でも僕は彼の死が“志願した”犠牲だったとは、一度も言っちゃいない。」
「彼の命が犠牲になったことで、変化を求める動きにようやく火がついたんだ。こうした犠牲が払われてはじめて、この国がやっと少しだけ目を見開いてくれたというのは、悲しい現実だ。でも黒人の正義という名のもとに、世界がこれほど1つになったことはいまだかつてなかった。それもまた不幸な真実なんだ。」
「僕はジョージ・フロイドさんや彼の家族に対して、そして沢山の黒人のために彼が払ってくれた“望まぬ犠牲”に対して、最高の敬意を表したい。」

Ne-Yoは自身が“犠牲”という言葉を選んだ背景をそのように説明するとともに、

「ゆっくりではあるけれど、変化は確実に起こっている。」
「ジョージ・フロイドさんは、子供達や彼を愛した人々のなかで、永遠に生き続けていく。」

とポジティブなメッセージを綴っている。



画像は『NE-YO 2019年11月16日付Instagram「You have to screw up in order to learn and get to the next level.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)