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飼い主が飛び降り自殺した瞬間を目にした犬、橋の上で帰りを待ち続ける(中国)

2020年06月11日 06:52  Techinsight Japan

Techinsight Japan

自殺した飼い主の帰りを信じて待つ犬(画像は『Metro 2020年6月9日付「Grieving dog waits on bridge for owner after they jumped into river」(Picture: AsiaWire / Wuhan SAPA)』のスクリーンショット)
忠犬ハチ公以外にも他界した飼い主を待ち続ける犬が過去に何度か報じられてきたが、このほど中国にて川で飛び込み自殺をした飼い主を橋の上で待ち続けている犬がいた。見かねた人達が犬に餌をあげるも口にしようとせず、ただ橋の上から川面を見つめているという。『Metro』『腾讯网』などが伝えている。

中国・湖北省武漢市にある武漢長江大橋の修復作業をしていた作業員が今月1日、橋の上にいる犬に気づいた。犬は決してそこから動こうとせず、地元住民が餌や水を与えても決して口にしようとはしなかったという。後に連絡を受けた武漢市小動物保護協会が今月5日に犬を保護しようとしたが、犬は橋の上から離れるのを拒んだようだ。

犬がなぜ橋に留まっているのか理由を探るため同協会の会長である杜帆(ドゥ・ファン)氏は警察に協力を仰ぎ、橋に設置してある監視カメラを確認したところ、驚くべき事実が判明した。杜帆氏は次のように語っている。

「犬は飼い主が橋から飛び降りるのを目の当たりにして、何日もそこで飼い主の帰りを待っていたのです。私達は地元警察に協力を仰いで橋に設置されたセキュリティカメラを確認しました。映像は暗くてはっきりしませんでしたが、確かに橋の上から何のためらいもなく飛び降りる人の姿がありました。」

警察の調べにより、先月30日の夜に武漢長江大橋の欄干を越えて川に飛び込んだ人がいたことが確認された。中国メディア『腾讯网』では自殺だったことを伝えているが、この時に飼い犬も一緒にいたようだ。

犬は橋の上に留まり、橋の欄干から飼い主が落ちた川面をじっと見つめ、帰るはずのない飼い主をずっと待っていたのである。

同協会のスタッフは、犬を保護して橋から離れた場所に停めていた車に乗せ、アニマルシェルターに向おうとした。しかしスタッフが運転席に乗ろうとドアを開けた瞬間、犬は飛び出して逃げ出してしまったという。

スタッフは逃げる犬に大声で呼びかけたが、3度ほど振り返ったもののそのまま走り去ってしまったようだ。杜帆氏は翌6日に「スタッフと共に橋の付近で犬を探したがまだ見つかっていない」と明かしており、当時犬を保護しようとしたスタッフのシィーさんも次のように語っている。

「犬は逃げた瞬間、何度かこちらを振り返ったんです。犬は私達が保護しようとしていることを分かっていたのかもしれません。しかし飼い主が姿を消した場所に戻ることで必死だったのでしょう。」

同協会では犬に新しい家族が見つかるまで世話をするつもりでいたこともあり、現在も犬の情報を呼びかけて行方を探している。

画像は『Metro 2020年6月9日付「Grieving dog waits on bridge for owner after they jumped into river」(Picture: AsiaWire / Wuhan SAPA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)