メルセデスF1チームが、2020年第1戦オーストリアGPに備えて、プライベートテストを開始した。初日走行を終えたボッタスは、久しぶりに走ることができ、新たな感染予防対策に慣れる機会という意味でも、非常に有意義な一日だったと語った。
新型コロナウイルス感染拡大により、F1の序盤10戦が中止あるいは延期となったが、先週、変更版カレンダーの前半8戦のスケジュールが発表された。7月5日にオーストリアで開幕することが確定したことを受け、メルセデスはコース上でのF1テストを行うことを決めた。6月9日と10日にイギリス・シルバーストン・サーキットでボッタスとルイス・ハミルトンが走行するプランで、規則で現行マシンの使用が認められていないため、2018型W09を使用する。
このテストは、約3カ月間、サーキットでの作業から遠ざかっていたドライバーやレースチームにとって、レース開始に向けたウォームアップとなり、さらに今年取り入れられる感染防止策に慣れるための貴重な機会でもある。
メルセデスはテストに際し、安全を第一に考えていると強調、現場で作業を行う全員がマスクやフェイスカバーを着用し、手指消毒も徹底していると述べている。
「チームにとってとても有意義な一日だったと思う」と初日を担当したボッタスは語った。
「皆、長期間にわたってレースやガレージの環境から遠ざかっていたし、新しい規制もあって、健康のためにいろいろなことに注意する必要がある。その予行演習ができたのはよかったと思う」
「今日はたくさんのことを学んだ。物事をより効率的に行う方法とか、レースが始まった時に皆が安全に働けるようにする方法などだ」
「久しぶりにマシンに乗ることができてうれしかった。オーストリアが待ち遠しい。早くまたレースをしたいね」
テストに立ち会ったトト・ウォルフ代表は、チームメンバーにとって過酷なシーズンになることは覚悟していると語った。
「ヨーロッパラウンドに関して堅実なカレンダーが作成された。ブラックレーとブリックスワースのファクトリーで働くスタッフたちは、ようやくコースに戻れることになり喜んでいる。皆、競争が大好きなので、レースに飢えていた」
「大きな挑戦になるだろう。その理由は明らかだ。だが、我々には、ファンにレースを見せ、素晴らしいショーを提供するという責任がある。3連戦の繰り返しになり、自宅に帰ることもできず、誰もが大きな負担を強いられることになる。だが、今はこの特殊な状況に対応しなければならない」