10月29~11月1日に開催が予定されていたWRC世界ラリー選手権のラリーGB開催中止が発表された。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により開催に向けて不確定要素が多すぎることが理由とされている。
ラリーGBはイギリス・ウェールズ地方を舞台に争われる1戦で当初のスケジュールでは2020年シーズン最終戦直前の第12戦に組み込まれていた。
イギリスは新型コロナウイルスによる死者数が4万人を超え、アメリカに次ぐ被害が出ている。住民に移動制限を課すロックダウンは解除されたものの、7月末から8月頭に行われるF1イギリスGPについては無観客での開催も検討されるなど、予断を許さない状況が続いている。
そして6月9日、ラリーGBを主催するモータースポーツUKが声明を発表し、ラリーGBを開催・運営するにあたり不確定要素が多く、現実的かつ柔軟なオプションを検討する時間が十分ではないとして、2020年大会の中止をアナウンスした。
「大会中止という決定は軽々しく下したものではない。我々の主要な支援者であるウェールズ政府とも議論した末の結論だ。我々には世界的に進行している新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた対応をする義務がある」とコメントしたのは、モータースポーツUKのチェアマンを務めるデイビッド・リチャーズ。
「我々は政府から発表された指針を細かにチェックしてきたが、指針が明らかになるにつれ、今年の秋にラリーGBのようなメジャーイベントを開催することは不可能に近いことが明白になってきたのだ」
2020年のWRCは3月の第3戦メキシコ以降シリーズ戦が行われておらず、中断状態にある。また新型コロナウイルスの影響でラリー・ポルトガル、サファリ・ラリー・ケニア、ラリー・フィンランド、ラリー・ニュージーランドの4戦が中止となった。
そのほか、4月末に行われる予定だったラリー・アルゼンチン、6月頭のラリー・イタリア・サルディーニャについては開催延期に。こちらの新日程についてはアナウンスされていない。
6月9日時点で、シリーズ再開は9月24~27日のラリー・トルコとなる見込み。その後は10月15~18日にラリー・ドイツ、11月19~22日にラリー・ジャパンが行われる予定となっている。