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レオナ・ルイス、過去の人種差別被害を告白「店を出なければ警察を呼ぶ、と言われた」

2020年06月09日 16:02  Techinsight Japan

Techinsight Japan

白人の母親と黒人の父親を持つ英歌手レオナ・ルイス(画像は『Leona Lewis 2020年3月6日付Instagram「Reunited with my boo @calumscott」』のスクリーンショット)
英オーディション番組『Xファクター』で優勝した人気歌手レオナ・ルイス(35)が、かつて人種差別の被害に遭っていたことを自身のInstagramで告白した。全米各地で行われている“Black Lives Matter(黒人の命は大切)”をスローガンとする人種差別抗議運動がイギリスでも広がる中、レオナは実際に起こった辛い経験をSNSで共有した。

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現地時間6月7日、レオナ・ルイスは自身のInstagramで10分間にわたる動画を公開し、数年前に経験した事実を明かした。

当時レオナのマネージメント会社はロンドン南西部フラムにあり、会議に参加したあと街を散策したという。可愛い店を見つけたレオナは、父親と一緒に店に入って新居に置くものを探していた。

2人はこの店に入った時、他の客がすべて白人で黒人は自分達だけということに全く気付いていなかったそうだ。しばらくすると店の女性オーナーが来て行動を見張りだし、レオナらに「その商品を戻してください。触ってはいけないの」と告げたという。

「他のお客さん達はみんな、商品を触って見ていた。だからその時、何が起こっているのかすぐに分かったの。彼女に『どうして? みんな触っているわよ』って伝えたの。」
「『どうして、私だけが商品を戻さなくちゃいけないの? 見てるだけよ。もしかしたら、買うかも知れないのよ』ってね。」

こういったやり取りをする間に他の客がいなくなり、店内にはレオナと父親、女性オーナーの3人だけになった。すると女性は動揺してカウンターの後ろに走っていき、『今すぐ店を出なければ警察を呼ぶ』と言い出したそうだ。

「それで私の怒りに火がついたの。そしてこう言ったわ。『商品は戻さない。買うわよ。なぜ、私をターゲットにするの?』ってね。」

その後もレオナの怒りは静まらず、同じような経験をしたことがある父親は娘を落ち着かせようとしたという。しかしこのことが彼女をさらに怒らせたそうだ。

「結果的に父親は、私を店の外へと連れ出したわ。角に止めてある車に乗り込んだとたん、私は嗚咽してしまって。すると父親は車から何か取り出して、あの店へ戻って行ったの。」

父親が持って行ったのは、なんとレオナのCDだった。これに驚いた女性はレオナのもとに来て「ごめんなさい、あなたが誰だか知らなかったの。ただ怖くて、あなた達が商品を持って行くと思ったの」と謝罪したが、人種差別をしたことは否定したという。

レオナは「人種差別よ。私と父をターゲットにしたわ。私たちが黒人だから、店を追い出そうとしたのよ」と女性に抗議したと言い、このように続けている。

「彼女は、私達が黒人だから、黒人は万引きすると思ったのよ。条件付けよ。ダークな肌の色をした人は、何か悪いことをするというね。」
「これが人種差別よ。人々はイギリスでは問題ではないと言うけれど、大きな間違いよ。あの店にいた白人達は、嫌気がさして店を出た。間違っていると知りながらね。誰も何も言わなかった。そして状況は悪化したわ。」
「声をあげるべきよ。人種差別が起きていることを認めなければならない。認めないということは、私達の痛みや人間性を抹消していることなのだから。」

レオナ・ルイスはロンドンの貧困地区であるハックニー出身で、白人の母親と黒人の父親との間に産まれた。音楽があって、歌手、ミュージシャンであることが心の支えだと話している。



画像は『Leona Lewis 2020年3月6日付Instagram「Reunited with my boo @calumscott」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)