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Appleの株価が史上最高値を更新、パンデミックの荒波を乗り越えるか

2020年06月09日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

Pexelsより

 Appleは6月5日、株価の史上最高値を更新した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行に伴い、株価を暴落させる企業が相次ぐなかで、完全な収束もまだ見ぬうちのAppleの記録更新は異例といえる。


(参考:iPhone 12は6.1インチから先に製造開始? 7月に量産、例年より1ヶ月の遅れになる見通し


・3月には212.61ドルまで暴落も、6月5日に331.75ドルを記録
 『MacRumor』は「現在も続いている公衆衛生の危機が直撃する前だった、約4カ月前にも、Appleは最高値を更新していたが、その時の水準に達している」と報じている(参考:https://www.macrumors.com/2020/06/05/apple-stock-all-time-high/)。


 Appleは1月29日に、327.85ドルで当時の最高値を更新。3月23日には212.61ドルまで下落したが、6月5日にそれを上回る331.75ドルを記録した。


 同社株の終値の史上最高値は、2月12日に記録した327.20ドルだったが、こちらも331.50ドルと更新した。


 この好調の主な理由は、6月5日に発表された5月のアメリカの雇用状況が予想以上に改善していたことにあるとされ、4.00ドル以上も上昇した。


・Appleにとって激動の2020年
 『Appleinsider』は今回の史上最高値更新について、Appleの株価が新型コロナウイルス感染症に伴う打撃から回復してから、わずか1週間後のことだと伝えている(参考:https://appleinsider.com/articles/20/06/05/aapl-hits-all-time-record-high-stock-closing-price-of-33150-on-friday)。


 2月と3月にはロックダウン(都市封鎖)や自宅待機の影響で、株式市場が全体的に急落し、Appleの株価もその例外ではなかった。景気低迷があったかと思いきや、株価が急騰した。2020年はまだ前半だが、Appleにとっては、すでに激動の年になっている。


 振り返ると、COVID-19が発生した中国のサプライチェーンの問題と、需要の減少により、Appleは2月17日に投資家に対して、1~3月の四半期の収益見通しを達成できない可能性があると説明。中国で需要と供給が正常化し始めて、世界中の国々でリモートによる仕事と教育という新時代に移行が始まった4月に回復し始め、1~3月の四半期の収益予測を上回る成果が報告されたことを受けて、5月上旬には300ドルを超え、さらに上昇した。


・5年以内に史上初「時価総額200兆円」も?
 今秋には、スマホ市場での巻き返しの切っ掛けになると期待される、iPhone 12シリーズのリリースが予定されているとされる。


 また、これまでも有望と目されていたサブスクリプションサービスの「Apple Music」や「Apple TV+」は、今後リモート化が加速するのに伴い、さらに需要が伸びることが予想される。


 多くの金融アナリストが、現在進行するパンデミックによる経済の不確実性を乗り越えられる位置に、Appleがあると見ているようだ。アナリストの中には、Appleが5年以内に時価総額2兆ドル(約200兆円)に到達する最初の企業になると予想する者もいる。


 Appleは、パンデミック以降の時代の波にも、悠々と乗り続けるようだ。


(Nagata Tombo)