ル・マン24時間レースを主催するACOフランス西部自動車クラブは6月8日、同クラブと燃料電池ベンチャーのグリーンGTが開発している燃料電池プロトタイプカー『グリーンGT LMPH2G』が、6月13~14日に開催されるル・マン24時間バーチャルでリードカーおよびセーフティカーとして使用されることをアナウンスした。
ACOとグリーンGTは燃料電池レーシングカーの共同開発プロジェクトとして“ミッションH24”を立ち上げ、H24レーシングの名の下で将来のル・マンに登場する可能性がある次世代エネルギー車両の研究を進めている。
2019年、プロジェクトは複数回に渡って『LMPH2G』の試験走行を実施。同年6月15日、第87回ル・マン24時間のスタート直前には史上初めてとなる、燃料電池プロトタイプカーによるサルト・サーキットのフルラップを成功させ脚光を浴びた。
そんなLMPH2Gが今度はバーチャル世界に進出し、いよいよ今週末に迫った世界最大規模のオンラインレース・イベント、ル・マン24時間バーチャルに登場することになった。このレースは『rFactor 2』のプラットフォームを使って行われる耐久eレースで、出場する全50台、計200名のドライバーのなかにはWEC世界耐久選手権の常連のほか現役F1ドライバーや元王者、その他カテゴリーのスタードライバーに加えてプロのeレーサーたちが名を連ねている。
LMPH2Gはこのeレースに向けてBWTのカラーリングが施されるが、レースが開催される13~14日は競技車両ではなくマーシャル車両として登場。セーフティカーの任を務めることになる。このマシンをドライブするのは同車のテストドライバーを務めるオリビエ・ロンバードと、シムレーサーのオーレリアン・マレットのふたりだ。