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故プリンスのタイムリーな直筆メッセージが公開 「この世に“不寛容さ”ほど醜いものはない」

2020年06月08日 13:11  Techinsight Japan

Techinsight Japan

生きていれば62歳の誕生日を迎えるはずだったプリンス(画像は『Prince 2020年2月13日付Instagram「In 2013, Prince was photographed by Inez & Vinoodh for the cover of @vmagazine.」』のスクリーンショット)
天才アーティスト、故プリンスの誕生日だった6月7日。存命であれば62回目の誕生日を迎えるはずだった彼のスペシャルデーを記念して「プリンス・エステート」が公式Instagramを更新、プリンスが遺した実にタイムリーな直筆メッセージを公開し、話題を集めている。

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2016年4月に57歳の若さでこの世を去った天才エンターテイナーのプリンス。彼はこのところ世界を揺るがしている、ジョージ・フロイドさん殺害事件の現場となったミネソタ州ミネアポリスの出身だ。

プリンスの死後も引き続き彼の活動をプロモートしたり遺産などを管理している「プリンス・エステート」は、存命であれば62歳の誕生日を祝うはずであった彼を偲び、次のようなメッセージとともにプリンスの直筆メッセージをInstagramに公開した。

「プリンスは人種的不平等を声高に反対し、黒人の素晴らしさを称え、“互いへの愛”というメッセージを広げることに生涯を捧げていました。彼が個人的に記録していたノートには、今日の私達の心に響くメッセージが綴られていました。」

“#Love4OneAnother”“#Prince”とハッシュタグとともに公開された画像には、プリンスの直筆でこのように記されている。

「黒人、白人、アメリカ先住民、黄色人、男子、女子―この世に、互いへの“不寛容さ”ほど醜いものは存在しない。」

このメッセージは、警察組織による黒人に対する“不寛容さ”、また長年暗黙のうちに見逃されてきた人種差別によりジョージ・フロイドさんをはじめとするアフリカ系アメリカ人が次々と命を落としている事実を受け、各地で抗議デモや暴動が起こっているアメリカの“醜い”現状を何ともタイムリーに表現している。

さらにプリンスのInstagramには、2015年にリリースした楽曲『Baltimore』のミュージックビデオのワンシーンも公開されている。同曲は2015年4月にメリーランド州ボルチモアで黒人男性フレディー・グレイさんが警察に拘束されたのち死亡した事件をもとに、プリンスが平和と正義を求めて作った楽曲だ。

ミュージックビデオには、グレイさんの死後にボルチモアで起こった抗議デモや暴動風景が収められており、最後は

「(アメリカの)制度は破綻してしまっている。これを修復するのは若い世代の人達だ。」

とプリンスによるメッセージが映し出される。暴動の翌月に平和を願うコンサート「Rally 4 Peace」を開催し、人種差別撤廃を求めて活動を続ける人々にエールを送っていたプリンスの姿は記憶に新しい。

天才エンターテイナーの死から4年―愛する故郷ミネアポリスで起こった悲劇やアメリカに根強く残る人種差別の現実をプリンスは天国で嘆き悲しんでいるに違いないが、同時に互いへの“愛”や“寛容さ”、そして“平和”や“正義”を懸命に願い続けていることだろう。



画像は『Prince 2020年2月13日付Instagram「In 2013, Prince was photographed by Inez & Vinoodh for the cover of @vmagazine.」、2020年6月6日付Instagram「Prince dedicated his life to speaking out against injustice, advocating for black excellence, and spreading the message of “Love 4 One Another.”」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)