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LOSTAGE、アルバム『HARVEST』で表現する“コミュニティの信頼関係” 「匿名で居場所なんて作れない」

2020年06月08日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

LOSTAGE(写真=タイコウクニヨシ)

 4月上旬、通算8枚目となるLOSTAGEのアルバム『HARVEST』が暫定リリースされた。本来なら、ライブ会場と奈良にある「THROAT RECORDS」実店舗、オンラインショップのみでのCDとレコード限定販売で、直接コンタクトを取らない限りは聴けないはずだったものが、急遽Bandcampでの配信が行われたためである。前作『In Dreams』以降、極端にクローズドな環境を作ることで自分たちの居場所を確かにしていったオルタナティブロックの雄も、このコロナ禍の前には為す術がない。作品のフィジカルリリースも、今後行われるはずの全国ツアーも未定のままである。


 とはいえ悲観的になれないのは、『HARVEST』の内容が、家から出られない生活にも優しくフィットするものだったからだ。本作で五味岳久(Vo/Ba)はアコースティックギターを弾き、音像はますます柔らかい歌ものへと進化。棘のある攻撃性より、寄り添って分かち合える生活の実感が歌になっている。ローカルであること、その他大勢に追随しないことを是としてきた五味が、今これだけ確かな繋がりを歌にできる理由とは。これは新作のインタビューでありながら、SNS/テレワークの時代にどう振る舞うのかというヒントでもある。(石井恵梨子)


「やりたい音楽をやれたら、それがLOSTAGE」


一一『HARVEST』、当初は5月4日にCDで発売予定でしたよね。


五味岳久(以下、五味):そう、もともとはその予定で準備をしてたんですけど。前回と一緒で、まずCDをライブ会場で売り始めて、ちょっと時間差でレコードを出そう、って感じでしたね。


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