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インディカー開幕戦テキサス:ディクソン完勝劇。琢磨はマシン修復が間に合わず未出走に

2020年06月07日 11:21  AUTOSPORT web

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優勝したディクソンの記念撮影もマスク着用のもと、ソーシャルディスタンスを保って撮影された
6月6日、テキサス・モータースピードウェイで開幕を迎えたNTTインディカー・シリーズ。無観客、ワンデイイベントで開催され、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が決勝レースを制した。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、予選でのクラッシュからマシン修復が間に合わず出走できずに開幕戦を終えた。


 新型コロナウィルス(COVID-19)の影響でさまざまなスポーツが延期・中止となり、インディカー・シリーズもセント・ピーターズバーグでの開幕戦を目前に延期が決定。2020年のカレンダーも大幅な変更を行った。

 5月中旬、感染拡大のピークを迎えたとしてNASCARが先駆けてイベントを再開。それを追うようにインディカーも6月6日、テキサス・モータースピードウェイで開幕を迎えた。
 無観客かつプラクティス、予選、決勝レースを1日で行うワンデイイベントとなったテキサスでの開幕戦。予選では昨年のシリーズチャンピオン、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がポールポジションを奪取。

 佐藤琢磨はアタック前のウォームアップラップ中にクラッシュを喫し未計測に。マシンの修復を試みたが、決勝レーススタートまでに間に合わず走行を取りやめることとなった。

 スタート直前、アンドレッティ・オートスポートのライアン・ハンター-レイとアレクサンダー・ロッシのマシントラブルが発覚し、グリッド上でパーツを交換。修復作業が間に合うも、最後尾からのスタートとなる。

 さらに琢磨のチームメイトのグラハム・レイホールもエンジンがかからずピットに留まることに。

 午後8時、陽が沈むなかニューガーデンを先頭に200周のレースがスタート。

 レイホールは1周遅れで隊列に復帰。ハンター-レイとロッシは、グリッド上での直前の作業がペナルティとなりドライブスルーペナルティを受けた。

 序盤はニューガーデンがリードする展開に。32周目ディクソンがニューガーデンをパスしトップに浮上。ニューガーデンはいち早く最初のピット作業へと向かう。

 今回はグリーンフラッグ下の35周で1回のピットストップという特別ルールが設けられており、ディクソンも35周終わりでピットイン。各車も続いていく。

 38周目、リナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)がスピン。アレックス・パロウ(デイル・コイン・ウィズ・チーム・ゴウ)を巻き込んでクラッシュを喫し、イエローコーションとなる。

 47周目にリスタート。ディクソン、ニューガーデン、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、フェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)と続いていく。

 76周目、ローゼンクヴィストがパジェノーをオーバーテイク。その翌周、コース上のデブリで2度目のイエローコーションに。

 このイエロー中に2度目のピット作業を各車行う。ディクソンは少し作業が遅れ、ニューガーデンがトップ、ローゼンクヴィストが2番手に浮上する。

 87周目のリスタートでディクソンはローゼンクヴィストをオーバーテイク。さらに91周目、アウトからニューガーデンを交わしトップを奪い返す。ディクソンはそのまま2番手に8秒以上の差をつけ独走状態となる。

 ニューガーデンはスピードが上がらず、チャーリー・キンボール(AJフォイト)、ザック・ビーチ(アンドレッティ・オートスポート)にも交わされ6番手へと落ち優勝争いから一歩後退する。

 ディクソンとの差を徐々に詰めていた2番手のローゼンクヴィスト。167周目にようやくディクソンを射程圏内へと捉える

 183周目、3番手のニューガーデンがラストピットへ。ローゼンクヴィストは、186周目終わりでピットへ。クルーも完璧な作業で送り出す。一方、トップのディクソンは、189周目終わりで最後のピット作業へ。

 ディクソンが前でピットアウト。トラフィックに囲まれたローゼンクヴィストは、焦りが生じたのかアウトサイドからバックマーカーを交わしに行き、バランスを崩してウォールにクラッシュ。優勝争いから一転、自滅となった。

 残り3周。ディクソン、パジェノー、ニューガーデン、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)の順でリスタート。ディクソンはそのままトップをキープし開幕戦を制した。2位にパジェノー、3位にニューガーデンとなった。

 ウイナーズサークルに入ったディクソンは、オーナーのチップ・ガナッシと勝利を分かち合うと用意されたマスクを着けてインタビューに答え、勝利を喜んだ。