メルセデスのチーム代表であるトト・ウォルフは、メルセデスのドライバー候補からセバスチャン・ベッテルを外してはない。それは、予想外の事態で突然空シートができることもあるからだ。
メルセデスでは、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスとの契約が今シーズン末に終了するが、2021年のラインアップはいまだ決定していない。
ウォルフはドイツのメディアに対し、もし想定外の事態が起きた場合、4度のF1チャンピオンであるベッテルが部外者からメルセデスの最有力候補にレベルアップする可能性があり、メルセデスはベッテルを候補から退けることはできないと述べた。
「セバスチャンはもちろん素晴らしい人格者で、4度の世界チャンピオンのタイトルを持ち、彼の世代のなかで最も傑出したドライバーのひとりだ」とウォルフは語った。
「彼はメルセデスの外部候補だ」
「優先順位はバルテリとルイスというメルセデスドライバーにあるし、ジョージ(ラッセル)とウイリアムズの状況も関心を持って注視している。それ以外にはどのドライバーも考慮しない」
「これこそセバスチャンを外したくないと言った理由だ。なぜなら来月起きることは誰にも分からないからだ。もし私が、今年の前半にはまったくレースが開催されないと1月に言ったとしたら、誰も信じなかっただろう」
「ふたりのドライバーとジョージに満足している。しかし実際どうなるかわからない。彼らのうちのひとりがもうレースをやりたくないと思うかもしれない。そうしたら突然空席ができる」
「だからこそ6月に『可能性はない。セバスチャンは我々のためにレースはしない』とはっきりと口にして言いたくないのだ」
「まず第一に、率直に言ってドライバーとしての彼にそんなことは言わない。その一方で誰も予想していなかった時にまったく予測不能なことが起こるのを見たことがある」
「ニコ・ロズベルグを思い出してみよう。我々はいかなる選択肢も残しておくが、もちろん現在のドライバーとの話し合いに専念している」
ハミルトンの将来と2021年以降のメルセデスとの契約延長に関して、ウォルフは6度のF1チャンピオンであるハミルトンとの契約の話し合いはいまだ行われていないと語った。
「ロックダウンの間はお互い会っていないが、定期的に連絡を取り合った。しかしいかなる契約にも取り組んでいない。我々の間には強い信頼がある」
「我々は長い間一緒だったし、ともにいるここ数年は契約書を取り出してそこに書かれていることを実際に読む必要がなかった。なぜなら自然にそうなったからだ」
「したがってひとたびレースが再開されれば一緒に時間を過ごし、棚から契約書を取り出して、期間、数字そして条件を見る。上手くいけばごく近いうちに何か成果が出るだろう」