F1のCEOを務めるチェイス・キャリーは、ヨーロッパでの8戦が終わった後、秋にはファンをレースに呼び戻す可能性について、慎重ながらも楽観的でいる。
F1は7月よりオーストリアで始動し、夏の間はヨーロッパ大陸に留まる予定だ。しかしながらこれらすべてのレースは、地元の安全対策に準拠するために無観客で開催される。
だが今年の後半にF1がアジア、アメリカ、中東へ移動すれば、レース主催者が少なくとも部分的にグランドスタンドに観客を入れられる可能性が期待されている。
「ファンは非常に重要だ」とキャリーはF1公式サイトで公開されたビデオインタビューで語った。
「多くの点で、我々はファンのために戦っている。だからレースにはファンにいて欲しいと思う」
「しかし今も安全面での要求やリスクがあることを我々は認識しており、それに歩調を合わせなければならない」
「ファンやF1に関与するすべての人々にとって安全な方法を取ることができると考えられるようになったら、すぐにでもファンを呼び戻したい」
「秋にファンをレースに呼び戻す目標について話した。スタンドを満席にすることはしないかもしれないが、人数を制限したファンイベントになるかもしれない」
「そういうわけで、ファンを呼び戻すことが目標になると思う。だがこの目標は、現実的にはある意味で全員にとって安全なやり方ができると考えたときに行うものだ」
■2020年は少なくとも15戦の開催に期待
2020年シーズン最初の8戦開催が発表された一方で、シーズンの残りの時期については今も調整が行われている最中だ。
キャリーは今年のレース数を少なくとも15レースに引き上げられると期待を寄せているが、スケジュールに関しては6月末まで明確にはならないだろうと考えている。
「今のところ(スケジュールを確定させる)期限を設けるつもりはない。状況が流動的であり、期限を設けることはプレッシャーを生み出してしまう。この状況においてそれは正しく現実的なことではないかもしれない」
「目標は、6月が終わる前に残りのカレンダーを完成できなければ、レース開催の可能性について把握することにある」
「我々は自分たちが試み、行おうとしていることを認識している。いくつかの件がうまく進まなかったとしても、他に選択肢がある。それから、カレンダー上にあるが、まだ開催されていないレースもある。我々には明らかに選択肢があると考えている」
中国とベトナムは、双方ともレース開催の優先順位のトップにあると噂されている。一方メキシコGPの主催者は、メキシコGPが予定通り11月1日に開催されると見込んでいると語った。
また日本、アゼルバイジャン、ロシア、アメリカ、ブラジル、バーレーン、アブダビは、すべてシーズン後半の枠で開催されると見られている。
「我々は未知の領域にいる。ごく直近の時期より後のことについては、引き続き見通しのつかない状態になることは明らかだ」
「すべての主催者たちと関わりを持っており、全員と活発な議論を行っている。誰もが同じ見通しを得ることに苦労しているのだ」