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『水溜りボンドのANN0』第9回おさらい 敬愛するレジェンド・HIKAKINを語る

2020年06月04日 07:21  リアルサウンド

リアルサウンド

『水溜りボンドのオールナイトニッポン0』公式ツイッター(@mizuann0 )より

 人気YouTuberコンビ・水溜りボンド(カンタ、トミー)がMCを務める『水溜りボンドのオールナイトニッポン0』第9回目が5月28日放送された。ANN史上初のYouTuberレギュラーパーソナリティーとして注目を集めているラジオ番組をさらに楽しむために、今晩の放送を前に第9回放送の振り返りと今後に向けたポイントをお伝えしたい。


(参考:『水溜りボンドのANN0』第8回おさらい 三四郎・相田との“プロレス”の行方は?


■ナイナイとの絡みは継続か!?
 同じく木曜日、ANN第1部のパーソナリティをつとめ、5月14日放送より、2014年以来の5年半ぶりにコンビとしての番組を復活させたナインティナイン。これにはお笑い好きな水溜りボンドも大興奮で、「毎週挨拶しにいける!」と息巻いていたが、なんとナイナイ側が収録に切り替わることを発表していた。


 もう二度と会えないのではないか……と二人が落胆するなか、岡村からの“YouTuber=チェーンソーを振り回してそう”という誤解を払拭する一連の流れはどうなるのか!?という“チェーンソー問題”が浮上(すでに『さよならチェーンソーの会』というレギュラーコーナーまで爆誕してしまっている!)。しかし、そんな二人の気持ちに応えるように、なんと先週のナイナイの放送では、“ボンドさん情報”と題して、事前に水溜りの二人に聞いていた“矢部浩之のかっこいい所”を岡村伝いに矢部本人に発表するという、水溜りボンドのコーナーが誕生していた。


 ちなみにトミーは、日本テレビ系で放送されている『東野・岡村の旅猿 プライベートでごめんなさい…』が好きな様子で、岡村の休業中にピンチヒッターとして出演した矢部が、あの東野が止めにまわるくらいディレクターに突っかかるという、珍しいボケを披露した際の“やさぐれ具合”がカッコよかったと振り返っていた(ぼんやりと褒めるのではなく、具体的な出演例を挙げる、トミーのお笑い愛が個人的にはアツい)。岡村からの“チェーンソー誤解”も継続していたので、しばらくはまだナイナイとの絡みは続きそうだ。


■ついに番組ステッカーが決定?
 YouTuberという存在にいまだ懐疑的な深夜ラジオリスナーと仲良くなるべく、毎週リスナーからの課題をこなすコーナー『水溜り。をプロデュース!!』。先週出されたお題は、Mac Bookのカバー面にあるリンゴマークに、思わず貼りたくなるような番組のノベルティステッカーを考えてくることだった。


 お互い真面目に真摯に課題を毎週こなしてくる二人だが、今週もトミーの世間とのズレが発覚(ちなみに、これまでのズレはこちら→音楽をこの世で2曲しか知らないトミー/デッサンという概念を知らないトミー )。カンタが持ってきた程よいステッカーサイズの絵柄に対して、トミーは「いや、Mac Book覆い隠すんかい!」というくらいのサイズ絵を持参したのだ。加えて、完全にラジオではなくYouTubeプロモーション用のステッカーを考えてきたため、トミーの頑張りは今回も浮かばれないものとなった。


 ちなみに、放送中にトミーが水溜りボンドのロゴやグッズイラストなどを担当するwakutaに呼びかけたところ、放送終了を待たずして、カンタとトミー二人の案を合体させた完璧なお仕事がTwitterに投稿され、話題となった。


■三四郎・相田とのバトルはいかに?
 ことの発端は第6回放送で、“しゅーじまん”こと三四郎・相田周二のYouTubeチャンネルを褒めてしまったことだった。気を良くした相田が『三四郎のANN』で「トミーは俺をライバル視してる!」と発言したことから、その翌週にはトミーが「もうちょっと編集とかSEとか入れた方がいいですよ。菅田将暉の名前を入れてあの再生数はない」などのラジオ上での憧れの絡みとも言えるプロレスバトルを開始。途中、大先輩の相田がしょげるという大事件もあったが、ついに今週、トミーが“しゅーじまん”に送った生牡蠣を食べる動画がしゅーじまんチャンネルに投稿された。


 トミーが送ったのは、さすがYouTuber界のグルメ王ともいえる、おそらく高級品であろう巨大生牡蠣を10個と、蒸し牡蠣用が4個、カキフライ用が5個の大サービス。動画内容はいつも通り、ノー編集・ノーテロップ・ノーSEで、30分かけてただただ牡蠣を食すという、しゅーじまん流だ(筆者によるしゅーじまんチャンネルの分析はこちら)。


 ただ、恐ろしいのはしゅーじまんの豹変ぶりであり、「大先輩のトミーさんから急に差し入れが届いて、もしかしたら見てくれてるのかな? え、嬉しいな」という邪心を全て削ぎ落とした名演技を披露! ラジオで散々煽り倒していた相田の姿はどこにもない。コメント欄を見る限り、おそらく三四郎のANNリスナーが視聴層の大半を占めていると予測されるなかで、まっさらな演技を貫き通す相田の末恐ろしさがこの動画のハイライトであった。


 ちなみに6月3日現在で再生数は3.6万再生。「10万再生いかなかったら謝りますわ」と言ってしまったトミーの今後はいかに……。ちなみに三四郎との仲を良くしたいカンタは、「“Zoom飲み”なんかどう?」と飲み会に滅多に参加しないキャラであるにも関わらず、自ら提案。「カンタ、動きます。」(by憧れの松本人志)の言葉を放送中に残しており、今後の展開から目が離せない。


■HIKAKINというレジェンド
 二人の所属事務所であるUUUMの大先輩であり、YouTuberの第一人者であるHIKAKIN(ヒカキン)が5月21日、Yahoo!基金と協力して「命を守る人を支えたいコロナ医療支援募金」を立ち上げたことは記憶に新しい。医療従事者から届いた切迫したダイレクトメールをきっかけに、自分にできることはないかと考え抜いた末、自らYahoo!基金に協力を依頼し、今回の「募金」を立ち上げ、自らも1億円を寄付。動画での積極的な呼びかけにより、約18万人が募金し、約3日で2億円を突破した。


 小池都知事との対談を始め、自らの影響力を理解した上で、自粛の呼びかけをこまめに行ったりと、社会貢献を継続して行ってきたヒカキン。YouTuberをはじめとしたインフルエンサー全体でも、今までこの規模で物事を動かした人はいなかったと思われ、水溜りボンドの二人にとってもその存在はとても大きく、今週はHIKAKINとの思い出が語られた。


 2007年にはYouTubeに動画を投稿しはじめていたHIKAKINと、現UUUM代表取締役の鎌田和樹氏が出会ったことにより、2013年、日本でYouTuberをマネジメントする初めての会社であるUUUMが設立された。水溜りボンドは、2014年にUUUM内に創設された養成所“UUUM NETWORK”の1期生。翌年、UUUM NETWORKからUUUMへと昇格した初めてのYouTuberだ。二人いわく、月に1回開催されるコンペでMVPを取ると、HIKAKINと会食できるとのこと。当時から彼らにとってHIKAKINは憧れの存在であり、素直に目指したいと思えるレジェンドだった。


 いまやチャンネル登録者数434万人という、押しも押されもしないトップYouTuberの水溜りボンドだが、まだ登録者数が1000人ほどのころ、その会食は実現された。初めてHIKAKINを目の前にした時には、“存在していること”に鳥肌が立ったという。


 2010年、21歳だったHIKAKINは『スーパーマリオ』の劇中音楽をボイスパーカッションで完璧に再現した動画が世界から注目を集め、2013年には世界的ロックスターのエアロスミスと共演。2014年には世界的歌姫のアリアナ・グランデと共演するなど、YouTuberという職業の認知度がまだ一般的ではない頃から“トップYouTuber”として、世間とYouTubeを繋ぐ役割を担ってきた。


 2020年の今ではお茶の間でのHIKAKIN認知度もすっかり定着し、彼が切り開いてきた道を多くの後輩YouTuberたちが辿っている。水溜りボンドも「もしHIKAKINさんがいなかったら日本のYouTubeは2、3年遅れていたはず」と予想。そしてその2~3年というのは、二人に“就職”という選択肢を与えなかった重要な期間であり、その運命を大きく変えたのだ。もしHIKAKINがいなければ、二人は就職していて、その後、水溜りボンドに衝撃を受けたカジサックもYouTubeの世界に飛び込まなかったかもしれない。YouTubeと世間の溝やギャップは今よりも深いものであったかもしれず、そう考えるととても感慨深い。


■今、YouTuberにできること
 HIKAKINの募金立ち上げを機に、はじめしゃちょーや東海オンエア、Fischer’sらトップYouTuberたちが募金に協力。その中で水溜りボンドは、20数個の募金窓口や支援窓口を動画で紹介した。その全ての窓口に二人も募金しており、さらに医療従事者だけではなく、国産の農林水産物を食べるという幅広い視聴層が気軽に実践でき、なおかつ生産者への支援になるような様々な方法を呼びかけた。


 彼らをはじめ、多くのトップYouTuberたちが各々考え、自分にできる行動を起こす。何百万人という幅広い視聴者を持ち、個人個人が発信力を持つYouTuberにこそできることと、スピード感であると筆者は彼らのファンとして誇りに思う。そして、ふさぎこんでしまうような世の流れの中で、毎日の動画投稿とラジオにSNS、様々な媒体を介して、いつも我々の側に寄り添って元気付けてくれる水溜りボンドの二人にあらためて感謝を述べたい。


■今週リクエストされた楽曲をチェック!
 『水溜りボンドのオールナイトニッポン0』では、Twitterのハッシュタグ #水溜りボンドANN0 でリクエストされた楽曲を放送でかけるといった試みを実施中。なかなか良い選曲なので、彼らの番組を隅々まで楽しみ尽くしたい人はチェックしておくといいだろう。


・「革命前夜」Tempalay
・「東京フラッシュ」Vaundy
・「Underdog」Alicia Keys


(こたにな々)