2020年06月01日 11:41 リアルサウンド
「ブームボックス」が何かわからない、という方はどれだけいるのだろう……。なんて記事冒頭に書くほどに時代は変わってしまったのだろうか。いや、若者たちが肩の上にブームボックスを担いだあの時代は、まだ消え去ってはいない。
(参考:これでAirPodを忘れない&なくさない! iPhoneケースと合体したAirPod充電ケース)
今回紹介するのは、有名なブームボックスをミニチュア・レプリカ化した(でもただのミニチュアではなく実用性も備えた)Kickstarterキャンペーン「RepliTronics M90 MINI」だ。80年代を懐古する世代にも、自分の生まれる前の時代をファッショナブルだと感じる世代にもグッときそうなモノとなっている。
・ブームボックスってなに?
身近にブームボックスを見たことがなくても、80年代の映画やドキュメンタリー、ミュージックビデオなんかでラジカセを肩に乗っけて町を歩く若者を見た覚えのある方はいるかもしれない。
ブームボックスはヒップホップやストリートダンス文化とも関わりが深く、「ゲットーブラスター」なんて呼び方もされるが、より日本でわかりやすく言えば「ラジカセ」だ。今ではスマホとBluetoothスピーカーに取って代わられたが、ある意味当時の「いつでも、どこでも、みんなで好きな音楽を楽しむ」ための存在だったと言えるかもしれない。
今回紹介するキャンペーンのプロモ動画にも使われているが、ジョン・キューザック主演1989年の映画『セイ・エニシング』では、主人公が彼女との思い出の曲(ピーター・ガブリエルの『In Your Eyes』)をブームボックスを掲げながらを流すシーンがある。
ヒップホップ、ストリートダンスから、ロマンチックな映画の中でのイメージまで、その時代の文化を反映したポップアイコンとも言えるだろう。
・「ブームボックスの王」を小さく再現
「RepliTronics M90 MINI」は、そんなラジカセ/ブームボックスを小型化したレプリカ。ベースにされたモデルは英語圏では「King of boomboxes」(ブームボックスの王)とも言われる日本ビクター/JVCの「RC-M90」。ビースティー・ボーイズのアルバム『Solid Gold Hits』のカバーとか、LL・クール・Jの『Radio』のカバーにもなっている有名なモデルだ。
いい音を出してくれることでも知られるが、デカくて重いことでも有名である。Radiomuseumによれば寸法は668 x 350 x 177 mmで、重さは10kg。これを担いで歩くには体力が要りそうだ。
「RepliTronics M90 MINI」は大きさは本家より60%小さく、重さは80%軽くなっている。カセットテープこそ入らないものの、ただの模型ではなくちゃんと実用性もある。
・Bluetooth、ケーブル、USB、ラジオもOK
スピーカーは2.5インチ16ワットのステレオスピーカー。スマホなどとBluetooth (5.1)で接続してBluetoothスピーカーとして使用できるほか、本体裏にはUSBドライブもありそれを音源として再生することもできる。3.5mm AUXポートも付いていて、外付けスピーカーとしても使える。
さらには伸縮式のアンテナも内蔵していて、AM/FMラジオも聴けちゃうのだ。
・本体表のボタンも機能、カセットテープドアも開く
本体表面の「顔」部分に沢山並んだツマミは、全部機能するわけではないが、「Bass」、「Treble」、「Balance」のツマミは捻ることで好みの音にすることが可能だ。他にも、電源、モード、再生・停止、先送り、巻き戻しボタンも機能するようになっている。
10,000mAhのバッテリー搭載で、再生時間は60時間以上。USB-Aポートにケーブルを繋げばスマホを充電したりもできる。
本体バッテリーの充電はモダンなUSB-Cポートから行う。なお充電用ケーブルは裏面下部の、本家では電池コンパートメントとなっているあたりに収納できるようになっているこだわりよう。
本体上部に倒し込むことのできる取っ手もちゃんと可動する。カセットテープは入らないが、カセットテープドアは機能するようになっているのも嬉しい。
・もっと小さいバージョンも!
このほか、リワードではさらに小さく1:6スケールの「M90 Micro」も用意されている。
こちらもBluetoothスピーカーとなっており、取っ手とアンテナは稼働する。1:6サイズでオモ写を撮る方には嬉しい。
・すでに目標の2倍を集めるブームボックス
この記事の執筆時点でキャンペーンは締め切りまで21日を残し、目標金額800万円の約二倍である1598万円程度を集める人気プロジェクトとなっている。
流石に肩の上にのっけて音楽に頭を揺らしながら格好よく歩くには小さすぎるサイズかもしれないが、普通のBluetoothスピーカーじゃつまらないという方、あの時代の素晴らしいデザインで音楽やラジオを聴きたいという方にはピッタリかもしれない。
(Yu Ando)