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仲里依紗、『美食探偵』でYouTubeとは真逆のキャラを快演 悲しき事件の裏側が明らかに

2020年06月01日 11:41  リアルサウンド

リアルサウンド

『美食探偵 明智五郎』(c)日本テレビ (c)東村アキコ/集英社

 新型コロナウイルスの影響により撮影が一時中断となってしまった『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)が贈る3週連続の特別編。第2弾となる今週は、本編の第3話と第4話で描かれた事件の裏側、すなわちシェフ(武田真治)とれいぞう子(仲里依紗)が犯行に及ぶ背景が暴かれていった。


参考:【ほか場面写真】疲れた表情を見せる仲里依紗


 第3話では、伊藤シェフが経営するフレンチレストラン「メゾン・ヴェリテ」で客がパンを喉に詰まらせて窒息死する事件が発生。一見して不運な事故かと思われたが、明智(中村倫也)の名推理によってそれがシェフの仕組んだ計画的な犯行であると後に判明する。口コミサイトへの愛なき書き込みによって、自信のある料理を激しくけなされたように感じたシェフは、それを書き込んだ有名レビュワーを死に追いやってしまったのだ。その影にはもちろん、マリア(小池栄子)の後押しもあった。


 事件の裏側に迫る“裏メニュー”では、レストランでギャルソンを務めていた野中(赤楚衛二)とシェフとの事件後のエピソードが描かれた。二人三脚でお店を切り盛りしてきたこともあり、シェフに強く尊敬の念を抱いてきた野中。悪意ある口コミにもシェフと同じくらい腹を立てていた彼は、実はシェフが計画的に殺人を行ったことを知っていながら、そのことを黙秘していた。


 レストランが閉店となり、シェフが店を出ていくという日。彼はその真実をシェフに告げて自分も一緒にマリアの元に連れていってほしいと懇願するも、「ユダはいつかあなたを裏切るわ」とのマリアの助言によりシェフは野中を殺してしまう。信じられるのはマリアしかいないと言ってマリアファミリーとして骨を埋めるシェフ。このシェフと野中の“決して届かない関係性”は、明智と苺の心の距離にも置き換えることができ、マリアの存在感をより際立たせる。野中も苺も、マリアには勝つことができない……。


 明智の学生時代の同級生だった和宏(落合モトキ)がその妻・みどり/れいぞう子(仲里依紗)に殺されてしまった第4話の事件。シェフや第2話の茜/林檎(志田未来)と違って、マリアファミリーにもなれず自らも命を絶ってしまったれいぞう子には、夫とその母親との息の詰まる確執があった。今回の裏メニューでは、料理をめぐる和宏の母(どんぐり)との激しい戦いの末に結局敗北してしまう、れいぞう子の悲しい末路が描かれていく。


 和宏の母が得意とするたっぷりの醤油と砂糖で味付けされた煮物を前にしてなすすべがなく、抵抗しようとして自分なりにアレンジしようとするも、母親の味に近づいていってしまうれいぞう子の悲劇。彼女は得意だったはずの料理で夫に求められず、かといってマリアファミリーにも入ることができない。その“誰にも求められない”女性を、仲里依紗が快演。自身のYouTubeチャンネルではとびきり自由な姿を垣間見ることができるので、本来は今回のキャラクターとはある種正反対の性格なのかもしれないが、嫁姑問題の行き着く先は夫を持つ世の女性が共感できるシーンが多分に含まれていただろう。夫婦にとっての料理や食事の大事さは、第1話のマリアの事件から一貫して『美食探偵』では描かれている。


 来週は特別編の第3弾を放送。第5話と第6話の裏メニューが描かれる予定だ。明智曰く、これまでとは少し違う趣向の「喜劇」の物語になるとのことなので楽しみに待ちたい。 (文=原航平)