isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2020年上半期の運勢も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
2020年上半期の運勢 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
希求と恩寵
今週のおひつじ座は、「現実の最中に憧れを見出していくような星回り」。
例えるなら、小川軽舟が詠んだ「紫陽花や流離にとおき靴の艶」という句のよう。これは作者がサラリーマンとして働き盛りの四十代半ばに、所属する結社の主宰を継いだ翌年に詠んだものです。
会社勤めを辞めたくてもやめられない。そんな心情が、紫陽花の色がうつりそうな「靴の艶」へと託されているように感じられます。
今週のあなたもまた、ひょんなことから今の自分とは対照的な理想のビジョンを見出し、憧れを膨らませていくことでしょう。
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月光のささやき
今週のおうし座は、「“深い闇の底のあやしい明り”に誘われていくような星回り」。
人は誰しも心の奥底に「暗い穴」を持っています。それは欠陥というよりも、生きづらさや寂しさ、コンプレックスや劣等感、嫉妬や罪悪感といった自分ではコントロールできない感情や衝動などが湧いてきてしまう場所です。
今週のあなたは、そんな心の穴を否定するのでも肯定するのでもなく、穴のかたちを観察しつつ静かに寄り添っていけるかどうかが問われていくでしょう。
その際に覚えておかなければならないのは、こうした心の穴というのは、誰か人の手を借りることで完璧に埋まることは決してあり得ないのだということ。まずはちょうど月の光が照らすくらいのささやかさで、自分の穴の底へと降りてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
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救済としての自己発見
今週のふたご座は、「目の前にあるものへ鋭く強く惹きつけられていくような星回り」。
作りものの感情原則にのっとって行動していくのではなく、もっと根源的な本能の発露を通して誰かと関わり、何かを生み出していきたいところです。
スペインの思想家オルテガは『ドンキホーテをめぐる省察』の中で、「私とは、私と私の環境である。したがって私がもし私の環境を救わなければ、私自身は救われないことになる」と述べています。これは今のふたご座の心境をきわめてニュートラルに描写したものといえるでしょう。
周囲に救われようと坐して待っている限り、救いは訪れないということでもあるのかもしれません。
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意識の底で黒光りするもの
今週のかに座は、「スマートであろうとする思想をどこかで捨てていくような星回り」。
『ドラえもん』における出木杉くんは、勉強ができてスポーツも得意な上、ルックスもいい。それにも関わらず登場回数が圧倒的に少ないのは、視聴者として見ていても、友達として一緒にいてもさして楽しくないからでしょう。
一見スマートに見えるモノが、実際にはスマートに機能するとは限らない(というよりも大体出来が悪い)ように、何でも自分ひとりで出来てしまうスタイルが、もはやまったくイケてないことに私たちはもういい加減気付いてきているはず。
今週のあなたもまた、出木杉くん的な思想から自分がどれだけ脱け出せているのか、いないのかが少なからず浮き彫りとなってくるでしょう。
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童心に返るとき
今週のしし座は、「どうしたって“人間味”が溢れてきてしまうような星回り」。
それはまるで、「どこか隙ある人のごとくや五月富士」(植松とし夫)という句のよう。この句は、梅雨時の富士に残っている雪と下界の新緑のコントラストから、どこか放心したような“緩み”を感じさせます。
日ごろは一寸の隙も見せずにもくもくと仕事に取り組んでいるような人が、うっかりソファーでまどろんでいる。その顔をふいに垣間見てしまったような、そんな印象を掲句の作者は抱いたのかも知れません。
今週のあなたもまた、まるで大人の殻を脱ぎすてて子どもに返ったかのように、無邪気さがピチピチとはねていくことでしょう。
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悲しくて悲しくて
今週のおとめ座は、「おのれの半生の苦闘を浄化していこうとするような星回り」。
スネをかじっているあいだは分からなかった親のありがたみも、自分がかじられる番になってやっと身に沁みて分かってくるものです。生きることにまつわる拭いがたいあさましさを噛みしめつつ、改めてそのありのままの姿を見つめ続けることができるかどうかが問われていくはず。
最近では、あるニュースをきっかけに「死ぬこと以外はかすり傷」という言葉が話題となりました。しかし実際の世の中には、自分一人ではどうしようもできず心が耐えきれないと感じてしまうことは無数にあります。
今週は、自分の中でため込んできたどうしようもなさへの“感じ”を、そっと誰か・何かと分かち合い、癒していくことも大切にしてくださいね。
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散歩とジーンズ
今週のてんびん座は、「気が重くなりがちな場所にも軽快に足を延ばしていくような星回り」。
文豪ディケンズは日々の日課として、また創作のヒントを得るため、あてどない散歩にいそしんだといわれています。
散歩やぶらつきというと、仕事の生産性に直接関係しない無為な時間と思われるかもしれませんが、手も足も自由な暇な時間や、意識の空白というのは、日常から一歩離れて生の全体を見渡すためには欠かせない必要条件といえるのではないでしょうか。
今週は歩くリズムや、踊るリズム、オールのリズムなど、自分に合ったリズムを身体に刻んでみることで、自分なりのスイッチの入れ方を探ってみるのもいいでしょう。
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からだを整える
今週のさそり座は、「自分自身への愛着を取り戻し、改めて高めていこうとするような星回り」。
「整体」という言葉が普及するきっかけをつくった野口晴哉は、自分の身の内にある「よりよく生きる要求」、すなわち自然の言葉をしっかりと聞いて、それを毎日の生活の中に反映させていくべきだと述べています。
ただし、そうした自然の言葉は必ずしもこちらの都合のいい言葉とは限らず、実行しようとすればしばしば既存の生活や価値観が崩れていくことになります。
ニーチェは「毎日少なくとも一回、なにか小さなことを断念しなければ、毎日は下手に使われ、翌日も駄目になるおそれがある」と述べましたが、おそらく「小さなことを断念する」コツというのは、そうした崩壊をある程度意図的にひき起こしていくことにあるのではないでしょうか。
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ゾーンに入る
今週のいて座は、「この世と向き合っていくための力を、改めて強くしようとしていくような星回り」。
いて座のあなたは、つねに動き続けていないと死んでしまうようなところがありますが、それでも時々静けさを感じることでエネルギーをチャージしていく必要があります。
今週は、スポーツでいうゾーンに入る感覚やフロー体験などに近い感覚を、ある種の“回復の儀式”として体験していくことが大きなテーマとなっていくでしょう。
ただいたずらに前を向いて進むばかりでなく、時には思い出したくない過去も含めて現在と繋げていくことができたとき、人は真の意味で強くなっていけるのかもしれません。
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顔が語るところのもの
今週のやぎ座は、「自分の顔をただそれ自体で存在させていくような星回り」。
私たちはふだん、自分の素顔を部長や母親、恋人などの他者から意味付けられる肩書きや役割を使って覆い隠しており、あまりにそれら場面ごとに使い分けられる仮面と素顔とを、癒着させてしまっているようにも感じます。
今週のあなたにおいては、そうした癒着から脱したところで<見られる>ことを意識せず、自らの貧しさや傷つきやすさを露出させていくことがテーマになっていくといえるでしょう。
哲学者のレヴィナスは「顔とは殺すことのできないものであり、少なくとも『汝殺すなかれ』と語りかけるところに、顔の意味がある」と語っています。今週のあなたは、この言葉をよくよく胸に刻んでいくとよさそうです。
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得体の知れない私を生きる
今週のみずがめ座は、「もう元には戻れない寂しさを噛みしめながら、とぼとぼ歩いていくような星回り」。
変わりゆくものと、変わらないもの。それらの比率はつねに変動しながらも、わたしという存在を構成し続けていきます。
これは言い換えれば、私たちは完全なる白紙にも戻れず、かといって真に納得のいくテキストにも到達できない、実に宙ぶらりんな状態を生きていく他ないということでもあります。
今週のあなたもまた、そんな空に浮いているような妙な居心地の悪さを思い出しつつ、それでも生き続けていくことの面白さに感じ入っていくことになりそうです。
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無常観の匙(さじ)加減
今週のうお座は、「岡倉天心のいう“茶気(ちゃき)”という言葉を通して、自分の器をはかっていくような星回り」。
東京藝大の創設者である岡倉天心は『茶の本』において、人生の面白味は<茶気>という言葉で言い表されるとしています。
茶気はあり過ぎてもなさ過ぎてもよくない。ただ私たちはどうしたってそのいずれかに偏りがちですし、今のようなコロナ禍の情勢においてはなおさらでしょう。
今週のうお座は、「人生という度し難いものの中に、何か可能なものを成就しようとするやさしい試み」という天心の言葉を改めてかみしめた上で、ちょうどいい茶気の匙加減を探っていきたいところです。
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