かつての名作ゲームがリメイクされるのは素晴らしいことだ。1992年発売の『ロマンシング サ・ガ』を2005年にフルボイスでリメイクした『ロマンシング サガ ―ミンストレルソング―』は傑作だった。オリジナルの魅力をそのままに、ミニオンの暗躍に重きを置いたシナリオと豊富なやりこみ要素は、まさにリメイクのお手本とも呼べるタイトルに仕上がっていた。
あの会社のあのゲームもリメイクされないかな、と思うことはしばしばある。例えば、フロム・ソフトウェアが1998年に発売したRPG『シャドウタワー』とか。続編の『シャドウタワー アビス』は難易度がかなり下がっていたし、ちょっと歯ごたえが無さ過ぎた。純粋なリメイクを遊びたいと、今も強く願っている。(文:松本ミゾレ)
"FF"で売れたスクウェアに"ドラクエ"のエッセンス
先日、5ちゃんねるに「最もリメイクすべきゲーム」というスレッドが立っていた。この手の話題はたまに見かけるけど、大体1995年リリースの『クロノ・トリガー』を推す声が多い。
同作は、まだスクウェアソフトがエニックスと合併していなかった時期のソフト。エニックスの看板『ドラゴンクエスト』シリーズのキャラクターデザインを担当していた鳥山明氏を迎えたことで、当時のゲームファンを騒然とさせた。言うならば『ファイナルファンタジー』で売れたスクウェアに『ドラクエ』のエッセンスが加わったもので、これはまさに信じられないサプライズだった。
実際にゲームとしての完成度も素晴らしいもので、個性的なキャラクターが敵にも味方にも配されていた上に、時間軸を行き来するという特性も相まって奥行きのあるゲームに仕上がっていた。スレ主も「『クロノ・トリガー』とか言っとけば収まりがつく風潮」と書き込んでいる。
まあぶっちゃけそうなんだよなぁ。『クロノ・トリガー』のリメイク作品がリリースされたら絶対買っちゃうし。
それこそ、1999年に発売になった続編の『クロノ・クロス』で「かなり思ってたのと違うな」と苦虫を噛んだ気持ちになった立場としては、余計に正当なリメイクを望んでしまう。ちゃんとしたリメイク、出てくれると嬉しいなぁ……死ぬまでに出ないかなぁ。
「『ゼノギアス』をもう少し見やすい映像でやりたい」
ところでこのスレッドには、恐らく僕(今年36歳)と同世代の人たちの書き込みも多い。そういう人たちの挙げる"リメイクしてほしいゲーム"は、個人的にも「あ、分かる分かる」ってのが多かった。
「『ゼノギアス』はPS2レベルでいいからもう少し見やすいグラでやりたい」
「過去の『ペルソナ』シリーズを5の戦闘システムでやりたい」
「『天地創造』かな。復興シーンは映えると思うんだよね。でも思い出の中でじっとしていてくれと思ったりもする」
「俺はリメイクというかリブートしてほしいのは『パラサイトイヴ』 『FF7R』のシステムに一番合う」
「『タクティクスオウガ』を『FF7R』みたいな戦闘でリメイク」
と、まあこんな感じである。どうしても、僕の主観が混じっている意見だけ紹介した感は否めないけど、どれもこれも納得である。アトラスの『ペルソナ』シリーズのリメイクなんて叶ったら、本当に最高だなぁ。『ペルソナ2罰』で"かっこいい大人"に憧れた青春時代を思い出すよ……。
あと、『ゼノギアス』ね。1998年リリースのこのゲームは、当時中学1年か2年だった頃に買ってもらえて、寝食も忘れて学校サボるレベルでやり込んだ思い出のソフトでもある。リメイクされたら、ちょっと当時の目線で見ても粗かった2D表現がどうなるか見物だなぁ。
もっとも、大胆なリメイクまでとは行かずとも、リマスター程度でも十分なのかもしれない。1999年に発売になった『ファイナルファンタジー8』のリマスターをこの間PS4でダウンロードしたけど、それだけで結構グラフィックに古さ、違和感は無くなっていた。こういう軽いリメイクも、今後いろいろなメーカーがやってくれればなぁ。
でも、やっぱり『クロノ・トリガー』だ。どうしても力の入ったリメイク版を遊んでみたい。死ぬまでにリメイクでかっこよくなったアザーラとティラン城で対峙したい。