トップへ

カミラ・カベロ、心の病気を隠していた理由を告白「弱いと感じていることを悟られたくなかった」

2020年05月30日 11:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

心の病気は「一人で闘おうとしないで」とカミラ・カベロ(画像は『camila 2020年5月15日付Instagram「“love risks everything and asks for nothing”」』のスクリーンショット)
人気シンガーのカミラ・カベロが、このほど『WSJ. Magazine』にエッセイを寄稿した。カミラは自身の心の病やこれまでの葛藤について赤裸々に明かしている。

米国で“メンタルヘルス啓蒙月間”とされる5月が終わりに近づくなか、人気シンガーのカミラ・カベロが『WSJ. Magazine』で自身の心の病気に関するエッセイを綴った。

メキシコ人の父親とキューバ人の母親との間に生まれたカミラは、ステージで繰り広げるパワフルなパフォーマンスやSNSで見られる明るく天真爛漫なキャラクターでこれまで多くのファンを魅了してきた。しかし世間のそんなイメージとは裏腹に、カメラの回っていない世界では不安神経症(強迫性障害)という心の病気に悩まされ続けていた。

一旦度を越した不安やこだわりに心が支配されてしまうとそれを抑えようとしても抑えられず、日常生活に支障をきたしてしまうOCD(Obsessive compulsive disorder: 強迫性障害)。昨年のカミラはこの症状に悩まされ、泣きながら車の中で母親に話を聞いてもらう日々が続いたという。少しでも症状を緩和させたい一心で母親とOCDについて書かれた本を読み漁るも一向に改善されず、容赦なく襲ってくる苦しみは日々の生活を脅かすほどになっていたそうだ。

「まるでジェットコースターに乗っているかのようなアップダウンの激しい日々」は慢性的な頭痛や不眠、緊張や不安から来る喉の締め付けといった身体的な影響を及ぼしていたが、OCDと闘っていることを他人に知られたくない一心で、カミラは仕事にも休まず出かけていたという。

カミラは心の病気と闘っていたことを誰にも打ち明けなかった理由を、エッセイの中でこう綴っている。

「私のことを“強く自信にあふれたできる人間”だと信じてくれている人達に、実は自分を弱いと感じていることを悟られたくなかった。」
「『心の病気や葛藤を正直に打ち明けてしまったら、もろく能力に欠けた人間だって思われちゃう』―頭の中ではそんな囁きが聞こえていたの。」

現在は認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy、CBT)と呼ばれるセラピーや瞑想法、呼吸エクササイズなどを取り入れつつ、病気と向き合っているというカミラ。以前は自分からユーモアやクリエティビティーなどを奪っていく存在だと認識していた不安症状と、今では友達のように付き合っているそうだ。

「不安症状が出るのは(自己防衛反応の一種で)私を安全に守ろうとするから。だから不安症状が出た時は、ちゃんと耳を傾けるわ。でも必要以上に気を取られないようにも努めているの。それから物事を決断するのは彼女(=不安症状を発症した状態)じゃなく、あくでもこの私だってこともしっかり肝に銘じているつもりよ。」

このように自身の病気を受け入れ、向き合っている現在は「今までにないくらい調子がいい」というカミラ・カベロは、心の病気で苦しんでいるなら一人で闘おうとせずに声をあげ、周囲に助けを求めるよう呼びかけている。また非現実的な完璧さを追い求めるあまり、他人と比較したり、嫉妬したり、パーフェクトであるべきと自分を追い詰める“SNS疲れ”にも言及。そのような感情は決して“弱さ”の象徴ではなく、自らの心の葛藤を認め、それと向き合うための行動を取ることこそが「“パワフル”な一歩につながる」と述べている。

画像は『camila 2020年5月15日付Instagram「“love risks everything and asks for nothing”」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)