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新型コロナ感染対策でも注目? スマホ決済「還元減少」でも残るメリットと賢い使い方

2020年05月30日 11:51  リアルサウンド

リアルサウンド

 一時期の「祭」とも言えるようなポイント還元キャンペーン争いもひと段落した。さらに、「Origami Pay」が6月末でサービス終了しメルペイに統合する等、業界の再編も始まっており、スマートフォン決済は次のフェーズに移ってきたと考えるべきだろう。


(参考:ガチャガチャからお賽銭まで……町に溢れる”キャッシュレス”を調査


 還元率について言えば、キャンペーン祭の過ぎ去った今では、スマートフォン決済とクレジットカード決済には大差がない。大きな還元率がメリットでなくなった後、これからどう活用していけばいいのだろうか。まずはスマホ決済の優位性から整理したい。


■非接触であること
 新型コロナ感染対策で注目・推奨されたポイントは“非接触であること”だ。スマートフォン決済は現金やクレジットカードと異なり、スマートフォンのカメラで読み取るか表示したQRカードをレジで読み取るかの2択であるため、買う側と店員の間でお金やカードの受け渡しが発生しない。特に現金は様々な人の手を渡るものであり、感染症への防御力は低いと言わざるを得ない。


 クレジットカードも、コンビニやスーパーでは自分でカードを挿すレジが増えてきている。これは感染症対策だけでなく、日本では件数が少ないがカードのスキミング対策でもある。決済自体が店員との接触を避ける方向に進んでいるのだ。


■利用できる場所・店が多い
 クレジットカードは読み取り機器や通信環境が必要なぶん、どうしても店舗側は導入するハードルが高くなる。一方、QRコード読み取り式のスマートフォン決済の場合は、利用を申し込んで審査に通過すれば、QRコードをお店に掲載するだけでよく、導入ハードルが低い。PayPayはこの導入コストの低さに加えて、強い営業力で地方都市やクレジットカード非扱い店舗での導入を広く開拓した。実際、昨年春に筆者が新潟に行った際に立ち寄った市場「ぴあBandai」では、クレジットカードが使えなくても、PayPayはどの店舗でも使えてとても便利だった。非現金決済のファーストステップとしてスマートフォン決済がある状況になったのだ。


 私は旅行先で「クレジットカードは使えなさそうだなぁ」というお店に多く遭遇する。これまでは現金をおろしてから入店したり、街を歩いていた。特に慣れてない場所であれば自分の口座のATMをわざわざ探す必要があり、ついついコンビニのATMを頼ってしまう。旅行スケジュールを優先し、現金をおろすのが手数料のかかる時間外になってしまうことも多いだろう。


 三菱UFJ銀行と三井住友銀行がATM相互利用により拠点削減を発表というニュースにもあるように、ATMを減らしキャッシュレス化の世界へ移行する銀行も出てきている。駅前の一等地に拠点を構え続けることは大きなコストだ。「出先や旅行先でお金がおろせない」は今後さらに発生していく可能性があり、スマートフォン決済を使い続けていくメリットは十分にある。


 では、そんなスマートフォン決済は、どのように使っていくのが良いのだろうか。まずは使うサービスを自分に合わせて絞ることをお勧めしたい。


 キャンペーン乱立の時期を経て、キャンペーンに合わせてサービスを手当たり次第に利用開始した人も多いだろう。では今、どのサービスにいくらポイントが残っているか、あなたは正確に把握できているだろうか?


 キャンペーンのない時期であっても、どうしても還元率で使うサービスを使い分けたくなる。しかし、例え1%の差でサービスを使い分けて総獲得ポイントを最大にしたとしても、そのポイントが有効に使い切れていなければ意味がない。したがって、自分で管理できるように使いやすいサービスへ一本化するのが最良だ。スマートフォン決済でアプリをいちいち探して起動するのが面倒という人にも勧めたい。


 どのサービスに一本化するかは、共通する絶対の正解はないのでそれぞれのライフスタイル、他サービスの利用状況から考えるといい。クレジットカードを含めて楽天に全て寄せるもよし、自分の携帯のキャリアから選ぶもよし。普段使うお店が何に対応しているかも大きな判断ポイントだろう。何より数百円のポイントが分散して使われないまま忘れることが一番損である。ぜひこの機会に整理することを勧めたい。


(布村壮太)