2020年05月28日 17:11 弁護士ドットコム
新聞販売店に過剰な仕入れを強制する「押し紙」をしたとして、佐賀新聞に約1070万円の支払いを命じた5月15日の佐賀地裁判決について、5月28日までに佐賀新聞と元販売店側の双方が控訴した。福岡高裁で争われる。
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判決は押し紙だけでなく、新聞広告料の基準となる「ABC部数」の調査で、佐賀新聞の担当者が販売店に不正な指示をしたことなども認定していた。佐賀新聞の控訴は5月27日付。
一方、元販売店側も、押し紙が原因で廃業したとして、約1億1500万円を求めていたものの、廃業との因果関係は認められないとして、逸失利益や慰謝料などの請求は退けられた。
また、損益相殺として、押し紙分の折込広告料が差し引かれたことなどにも不服があるという。こちらの控訴は5月28日付。
なお、裁判では、仕入れが強制されたものか、自発的なものかが争点になるが、広告主との関係でいえば、どちらにしても配達することのない新聞が大量にあること自体に問題があるという点に留意する必要があるだろう。