2020年05月26日 10:31 弁護士ドットコム
新型コロナウイルスによる外出自粛で、パートナーと一緒に過ごす時間が増えた人も多いのではないでしょうか。ちまたでは、「コロナ離婚」という言葉も誕生。自粛生活の中で、互いの価値観の違いが目立つようになり、険悪なムードになった夫婦もいると報じられています。
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弁護士ドットコムニュースのLINEで「夫婦やパートナー関係に変化はありましたか」と尋ねたところ、意外にも「会話が増え仲が良くなった」、「変わりない」という回答が目立ちました。
寄せられた声の一部を紹介します。
まずは「仲が良くなった」という方からの声です。
愛媛県の50代男性は「女房との会話が増え、仲が良くなった気がする」と話します。
これまで妻が担っていた掃除や片付けなどをお願いされることが増えました。男性は「信頼されていると感じ、私自身も満足している」とやりがいを感じると共に、日ごろの妻の家事に改めて感謝したようです。
京都府に住む40代の女性は、小学5年の息子を育てるシングルマザー。中距離恋愛中の彼氏と息子が、オンラインで初めて顔を合わせました。「楽しい時間になり、コロナで逆に愛が深まりました」と思わぬ展開に喜んでいました。
「一緒にいる時間が増えて楽しい」と話すのは、兵庫県に住む40代の女性です。仕事はいつも通りですが、週末にパートナーと一緒に過ごす時間が増えました。これまでの週末は、お互いに趣味や自治会などに忙しく、すれ違いが多かったそうです。女性は「普段二人とも忙しすぎたんだと思いました」と振り返ります。
他にも、「仕事の関係ですれ違いの生活だったが、家はむしろ会話が増えて関係は良くなった」(50代男性)、「自宅で話す時間が増え、かえって仲良くなりました」(東京都の20代女性)、「どうせなら楽しく、相手に優しく、面白くしたいねと話し、仲が良くなりました」(横浜市の50代女性)と、皆さん仲良く過ごしているようです。
一方で、外出自粛により、夫婦やパートナー関係を見直すきっかけになったという人もいました。
九州地方の30代女性は「子どもがいないうちに、夫との離婚を考えるようになりました」と話します。
夫が1年ほど前から始めたオンラインゲームに依存。昼夜逆転し、女性との会話は9割ほどなくなりました。在宅勤務により家にいる時間が長くなり、女性は「精神的に限界を迎えている」とこぼします。
特別定額給付金10万円を巡って、トラブルが起きた人も。山口県の40代女性は「世帯主の口座に振り込まれる10万円を、自分のものと勘違いしてるところがすごく嫌」と夫の態度に違和感を抱いています。
10万円の使い道について話し合いもないまま、夫から「半分以上は親の介護や生活費に使う」と言われ、「価値観のすれ違いに気づきました」と嘆いています。
離婚したい場合、夫婦の話し合いで折り合いがつかなければ、離婚調停を申し立てることになります。調停が不成立になった場合、裁判を起こします。
裁判となった場合には、離婚が認められる5つの離婚原因が必要となります。価値観の違いや性格の不一致といった場合は、離婚原因の一つの「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)にあたるかどうかが判断されます。
自粛生活をきっかけに、会話が増えて仲が良くなったという人もいれば、今まで我慢していたものが爆発した人もいました。
幸いなことに、大半の人がコロナの思わぬ効用に胸をなで下ろしているようです。
しかし、原口未緒弁護士は「コロナの感染が終息したあとになって、コロナ期間中に鬱積した不満や価値観の相違が理由となり、離婚が増加する可能性は考えられる」と指摘しています。(記事:https://www.bengo4.com/c_3/n_11055/)
緊急事態宣言が解除され、日常生活が戻ってからこそ、パートナーシップは試されるのかもしれません。
皆さんはどんな変化がありましたか。コメント欄にご意見をお寄せください。