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SUPERNOVAのリーダー ユナクと歌声で魅了するソンジェ Double Aceとしても活躍する“お兄ちゃんズ”の魅力

2020年05月24日 10:11  リアルサウンド

リアルサウンド

Double Ace『2Type』

 ベテランにして新星――。


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 2018年に「超新星」から「SUPERNOVA」へと名を改め、再始動を図った彼ら。2019年に日本デビュー10周年を迎え、日本のK-POPブームを牽引したグループという実績を誇りながら、「SUPERNOVAという新人グループの気持ちで頑張ります」と真摯に語る。


 そう、彼らは再び新星としてスタートしたばかり。長年の経験を通じて培ってきた実力と、デビュー前から続くメンバー間の絆に加えて、より多くのファンとのつながりを持とうという新人グループのようなフレッシュさも兼ね備えている。今こそ応援しがいのあるSUPERNOVAメンバーの魅力について、年齢順にピックアップ。今回は“お兄ちゃんズ”こと、ユナクとソンジェから。


■強いこだわりと愛情で導くリーダー・ユナク


 映画やアニメから日本に興味を持ち、愛知・名古屋に留学していたところ、スカウトされる形で芸能界入りしたユナク。それゆえに日本語が堪能で、俳優として様々な作品にも出演してきた。歌、演技、ダンスとオールマイティーな才能が求められるミュージカル舞台でも経験を重ねていることからも、彼の高い能力をうかがい知ることができる。そうした経験値を活かし、次世代のアイドルを発掘する日韓合同プロジェクト『G-EGG』のプロデューサーとしても活躍。冷静な眼差しで若き才能を見つめ、的確に改善点を指示していく。人はものを教えながら自ら学び直すものだが、ユナクの発言に耳を傾ければ彼がどれほどの決意でこの仕事を続けているかがわかる。レッスンを通じて練習生たちの痛みに触れると一緒に涙を流したり、脱落した後も自らのステージで経験を積ませたりと、一度関わった人にはとことん愛を注ぐタイプ。


 また、超新星からSUPERNOVAへと改名したタイミングで、彼らは元の事務所から独立し、新たな会社を立ち上げた。その社長を務めているのもユナクだ。ステージの企画はもちろんのこと、オフィシャルグッズまでも目を光らせる。音楽トーク番組『music monster』に出演した際、グッズで人気が振るわなかった服があると聞き「スタッフに“それは俺に渡して”って言って、僕が東大門にあるモールに行って素材まで全部選んで。素材を良くしたら必ず買ってくれるんじゃないかなって」と自ら奔走し、見事SOLD OUTになったと振り返る。ユナクのこだわりの強さと、ファンファーストな姿勢を象徴するエピソードだった。ちなみに、ユナクはそのこだわりの強さゆえに、少しスローテンポなところも。以前、ファンイベントでコスプレ+足つぼウォーキング+縄跳びのタイムアタックをする場面があったが、記録よりも美しく女子高生の衣装を着ることに熱中し、笑いを誘っていた。食事もシャワーもスキンケアも納得するまで時間をかけるじっくりタイプ。徹底的に努力する芯の強さと、ゆっくりとした朗らかな優しさとが共存する頼れるリーダーだ。


■繊細な心から生まれる光の歌声で魅了するソンジェ
 SUPERNOVAのメインボーカルを務めるソンジェの最大の魅力といえば、歌唱力だ。柔らかく心地よい声の質がいいのはもちろんのこと、彼の持ち味は楽曲への解釈の深さにある。


 ソロとしても活躍しているソンジェは、3rdソロアルバム『男の花道~SUNGJE’S JAPANESE SONGBOOK~』で「最後の雨」「やっぱ好きやねん」など日本の名曲をカバー。そのレコーディング風景を記録した動画で、カバーアルバムを制作した理由を「幼いころから歌手の夢を見ながら、たくさんのアーティストの曲を聴いて、すごく感動した。僕も誰かのファンだったから。それで僕が自分の曲を歌ったときも誰かに同じように感動を与えたいと思った」と語る。さらに「僕がこの曲を通じて感じたことを自分のこととして解釈して人々に伝えたいと思った。ある意味、借りた感じだね。音楽の力をちょっと借りた。そうやって伝えてみたかった」とも。


 なかでも、amazarashiの「ひろ」という楽曲は聴いたときに思わず涙を流したそうで、改めて歌とまっすぐに向き合うソンジェの純粋さを知ることができる。その繊細な心の持ち主ゆえに、ひとりの時間を好んだり、SNSとの距離感に悩んだりと、葛藤の多い日々を過ごしてきた。「ひろ」の歌詞〈どんな暗闇でも照らすような強い言葉〉にちなんで、以前は偉い人だったり成功した誰かの言葉がそうだったが、だんだん聞くことが難しくなっていったという。そして今では、その言葉は誰かではなく「自分が自分にしか言えない言葉」と話す。ありきたりな風景をそのまま受け入れるのではなく、摩擦を生じてでも昇華させる。そうして多くを考えた先に見つけたものを、歌にのせる。だから、ソンジェの歌はまるで流れ星のように、聴く人の心にスッと届くのだろう。


 ユナクとソンジェはSUPERNOVAだけでなく、「Double Ace(ダブルエース)」というユニットとしても活動している。「エースになりたい2人」とハニカミながらそのユニット名の由来を語る姿も、実に謙虚な2人らしい。いつも前線に立ってリードしていくユナクと、ユナクが決断に困ったときに「それがいいんだよ」と背中を押し、しっかりと支えてきたソンジェの歩みは決して楽なものではなかったと容易に想像できる。だが、その乗り越えた分だけ、2人のハーモニーを美しく響かせているのかもしれない。慣れ親しんだ「超新星」というグループ名を手放し、自分たちで新たな一歩を踏み出さなければならなかったSUPERNOVA。『ココロタビSUPERNOVA』(TOKYO MX)で2人きりで本音トークを繰り広げた際には、ソンジェが「これから大変だと思うよ。でも僕たちが力を合わせれば何も怖くないし! やる自信もあるし! なんでも!」と断言。この思慮深い2人が切り拓くこれからの道が、花道となるよう願わずにはいられない。(佐藤結衣)