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ETRC:トラックレーシングもバーチャル参入。5月24日開幕、全8戦のeシリーズを開催

2020年05月22日 14:41  AUTOSPORT web

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人気Simの“Assetto Corsa”を採用した『ETRC DIGITAL RACING CHALLENGE』の創設をアナウンスしたETRC
FIAの欧州各式選手権であるETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップは、5月19日(火)付で「新たなデジタル戦略プラン」を発表し、世界中のモータースポーツカテゴリーで導入される施策に倣い、新たに全8戦のeシリーズ『ETRC DIGITAL RACING CHALLENGE』の創設をアナウンスした。

 今回の発表に先立ち、先週15日には2020年の暫定エントリーリストを公開し、17名の強力なドライバーがグリッドに並ぶことを明かしていたETRCだが、選手権プロモーターであるETRAヨーロピアン・トラック・レーシング・アソシエーションは、同時に全8戦のカレンダーを6戦に削減し、開幕時期をさらに遅らせる措置も発表している。

 こうして世界的な流行をみせる新型コロナウイルス(COVID-19)の影響は他のカテゴリー同様にトラックレーシングの世界にも及び、FIA ETRCもバーチャル空間でのレーシングトラックによるイベントを立案。

 本来なら“リアル”の開幕ラウンドを務める予定だったハンガロリンクは、ハンガリー政府が定めた「2020年8月15日まで500人を超えるイベントの開催を禁止する」との措置で10月へのスロット移行を申請中だが、全8戦から成るこの『ETRC DIGITAL RACING CHALLENGE』では5月24日(日)に第1戦を担うことが発表された。

 2019年にはETRCファンに向け、複数のコンシューマー機向け公式ゲームが発売されているが、ETRC DIGITAL RACING CHALLENGEではシミュレータープラットフォームの『Assetto Corsa(アセットコルサ)』を採用する。

 このeシリーズにはETRCにフルシーズンエントリー登録をするドライバーや、ワイルドカード枠での参戦が認められ、スポーティング規則やレースフォーマットは実際のFIA ETRCに基づき、コースオフィシャル、レースコントロール、および役員(全員がDMSBライセンスを所持)によって監視、監督される。

 MANやIVECO、Mercedes-Benz Trucksなどバーチャル空間のトラックも実際のマシンと同様の構造と2020年仕様カラーリングを再現し、ドライバーはそのリバリースキームのみ個別に調整することが可能となっている。

 各ラウンドは25分スプリントレースの4ヒートで構成され、コース上では12台のレーシングトラックが勝負を繰り広げる。最高速度上限の160km/hも再現し、オーバーテイクに必要な技術や、物理と慣性の法則はその他の一般的なレーシングシミュレーターとは異なるモデルを採用する。

 レース2はリバースグリッドとなり、ペナルティの適用やブレーキ冷却用200リッター容量ウォータータンクの手動管理も導入されるため、これを無制限に使用すれば困難な状況に陥ることも予想され、本戦同様にレースイベント全体の戦略にも緊迫感のある状況が生まれる。

 日曜開催の各ラウンドは中央ヨーロッパ時間(CET)の18時(日本時間翌午前2時)からイベント開始となり、ETRCの公式YouTubeチャンネル、Facebookページ、Twitch、オフィシャルWebサイトなど、ソーシャルメディアプラットフォーム全体でライブ配信される予定だ。

■ETRC DIGITAL RACING CHALLENGE 2020年カレンダー
RoundDateCircuit15月24日ハンガロリンク26月7日ミサノ36月21日スロバキアリンク46月28日ニュルブルクリンク57月5日モスト67月19日ゾルダー78月2日ル・マン(ブガッティ)88月16日ハラマ