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三陽商会、旗艦店「ギンザ・タイムレス・エイト」のビル売却報道を否定

2020年05月21日 12:42  Fashionsnap.com

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ギンザ・タイムレス・エイト(2019年9月撮影) Image by: FASHIONSNAP.COM
三陽商会が、銀座8丁目に位置する「ギンザ・タイムレス・エイト(GINZA TIMELESS 8)」が入居するビルの売却を検討していると日本経済新聞が報じた。同社の広報担当者はFASHIONSNAP.COMの取材に応じ、「一部報道に関しては当社が発表したものではなく、現時点で決定した事実はありません」とコメントした。
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 報道によると、三陽商会は新型コロナウイルス感染拡大の第2波など今後の事態に備えて、手元資金を厚くする狙いから売却を検討。ビルの売却金額は約100億円にのぼると報じられた。
 同社がすでに発表している経営再建に向けた再生プランには、販管費の効率化やMD構成の見直しによる過剰在庫削減、百貨店インショップのプロモーション力向上などで粗利益の改善を図ることに加えて、不動産を含む資産の効率的活用も含まれる。広報担当者は保有不動産について「常にあらゆる方向性を視野に入れて検討をしている」と応えたものの、現時点で同ビルを売却する案を進めている事実はないという。
 同社は2016年から4期連続の赤字決算となっており、経営再建が急務となっている。昨年末の岩田功社長の降格により新社長に就任した中山雅之氏が4ヶ月でスピード退任し、ゴールドウインの取締役副社長執行役員社長補佐や顧問などを経験した大江伸治氏をトップに据える新人事を発表。大江氏の指揮下で再生プランを推し進める予定だが、大株主のRMBキャピタルとの人事および経営方針の問題が泥沼化しており、株主総会でプロキシー・ファイト(委任状争奪戦)に発展すると見られている。
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