新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる国内モータースポーツ界。2020年はGT500クラスへのクラス1車両の導入、年間2戦の海外開催、熾烈さを増すGT300クラスなど数多くのトピックスがあったスーパーGTも、開幕から5戦が延期となってしまった。ただ7月の開幕を前に、ちょっぴり知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられるはずだ。そこで、不定期連載となるがスーパーGT参戦チームのチーム名とカーナンバーの由来をお届けしよう。第36回目は、GT300クラスに参戦するarto Panther Team Thailandだ。
■arto Panther Team Thailand マシン:arto RC F GT3 ドライバー:ショーン・ウォーキンショー/ナタポン・ホートンカム カーナンバー:35 監督:ステポン・サミタシャ タイヤ:ヨコハマ
スーパーGTには、参戦するクラスや前年のランキングによってさまざまなシード分けがあるが、海外からの積極的な参戦を促すため、『インターナショナルチーム』という枠が2チーム分設けられている。この枠をスーパーGTで初めて使いシリーズを戦っているのがarto Panther Team Thailandだ。
さらにチームは、2016年にナタウッド・ジャルーンスルカワッタナ/ピッティ・ビロムパクディのドライブでふたたびタイ戦にスポット参戦すると、2017年にはPANTHER TEAM THAILANDとしてシリーズ参戦を果たした。ドライバーはトヨタ・チーム・タイランド時代からエースとして活躍してきたジャルーンスルカワッタナと、ナタポン・ホートンカムのふたりだ。この年からチーム名としてついた『PANTHER』は、タイの大手通信企業であるトゥルー・グループのエンターテインメント企業の『パンサー・エンターテインメント』の名でもある。
こうしてフル参戦を果たしたチームは、2017年こそフォーミュラに乗り慣れたドライバーでも苦戦するマザーシャシーに悩むことになるが、2018年からはレクサスRC F GT3を投入。高い安定感を披露しはじめた。また2019年には、ショーン・ウォーキンショーが加入し、さらにポテンシャルを上げている。2020年は岡山公式テストで第3ドライバーとして、WECでLMP1経験ももつマティアス・ベッシェも起用。楽しみな存在となっている。
そんなarto Panther Team Thailandのカーナンバーは、2016年のスポット参戦時から『35』を使っている。これはフル参戦初年度のドライバーだったジャルーンスルカワッタナとホートンカムが、タイランド・スーパーシリーズで使用していたのが『38』、『39』だったが、当然スーパーGTではすでに使用済み。そこでトヨタ系チームということもあり、空いている中で選ばれたのが同じく30番台の35という数字だ。ちなみにサミタシャ監督は、タイでレースを戦うときにはカーナンバー『19』を使う。バンドウとのゆかりの深さがうかがえるだろう。
arto Panther Team ThailandはスーパーGTでの活動に加え、タイランド・スーパーシリーズやニュルブルクリンク24時間への挑戦など、さまざまな活動を行っている。タイを代表するチームのスーパーGTへの挑戦はまだまだ続く。