2019年のチャンピオンシップでもタイトル決定の舞台となったマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで争われた15分間の予選では、ここまでのイベント同様にシムレーサー勢が速さを見せ、Red Bull Racing Esports所属のベンツェ・バーンキ(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)がポールポジションを獲得。そのままレース1序盤から隊列を率いる展開となった。
その背後を固める上位勢もほとんどがプロゲーマー勢となり、25分の決勝でつねに首位争いを演じたゲルゲ・バルディ(ヒュンダイi30 N TCR/M1RA Esports team)は、ファイナルラップで一瞬だけバーンキをかわして首位に躍り出るも、バーンキがすぐさま反応を見せポジションを奪還。そのままチェッカーをくぐる結果となった。
さらに最後のポディウム・スポットを争ったロシア人の元WTCC世界ツーリングカー選手権経験者キリル・アントノフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/LADA Sport Rosneft eRacing Team)と、ドイツ出身のタイトルコンテンダーでもあるWilliams Esports所属モリッツ・レーナー(セアト・クプラTCR)がおなじくファイナルラップの最終コーナーまでバトルを繰り広げると、ホームストレートへの立ち上がりを制したアントノフが先行してフィニッシュラインへ。
続く5位にはバルディのチームメイトであるダビド・ナジー(ヒュンダイi30 N TCR/M1RA Esports team)が入り、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportのグエリエリが10位フィニッシュでまたも“ベストリアルレーサー”の称号を獲得。同時に、シリーズ最終ヒートのレース2に向けトップ10リバースグリッドの最前列を手にした。
ターン1ではアダム・ピンチェス(セアト・クプラTCR/Triple A Esports)のアタックを退け、その後はWilliams Esportsのニコデム・ウィスニウスキー(ヒュンダイi30 N TCR)や、その僚友クバ・ブレジンスキー(Lynk&Co 03 TCR)らのプレッシャーにもさらされ続けたものの、前戦寧波のようなアクシデントを回避して25分12周の決勝を走破。念願のヴァーチャル空間初勝利を手にした。