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Instagramが“オンラインいじめ”対策の新機能をリリースも、海外メディアは「一長一短」と報じる

2020年05月19日 16:51  リアルサウンド

リアルサウンド

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 Instagramは、プラットフォーム上でユーザーがプレッシャーを感じないように配慮する、様々な改善を行っている。いじめを無くすための取り組みもその一つで、そのための新機能をリリースしていくようだ。


(参考:中居正広、ついにSNSデビューへ? Twitter&インスタへの“意欲と不安”を語る


・3つの新機能でアカウント管理を改善
 5月12日、Instagramはブログで「オンラインのいじめ対策のための継続的な取り組み」について発表した。変更点は、主に次の3つだ(参考:https://about.instagram.com/blog/announcements/continuing-our-work-to-fight-online-bullying)。


・望まないインタラクションの管理
まず、ユーザーが複数の望まないやり取りを、一度に管理できる新機能をローンチした。ネガティブなコメントを管理するのは大変なことだとし、コメントをまとめて削除する機能と、ネガティブなコメントを投稿する複数のアカウントをブロックまたは制限する機能をテスト。フィードバックは前向きなもので、特にフォロワー数が多い人々が、アカウントでポジティブな環境を維持するのに役立つことが分かったという。


・肯定的なコメントの強調表示
ネガティブなコメントの削除に加えて、肯定的なやり取りを促進する簡単な方法を、人々に提供することも検討しており、固定コメントのテストが始まるという。この機能により、選択した数のコメントをコメントスレッドの上部に固定して、アカウントの雰囲気を調整して、コミュニティと交流することが出来るという。


・タグ付けやメンション出来る人の選択
タグやメンションを使用して他のユーザーを標的にしたり、いじめをしたり出来ることが分かったため、Instagramで自分にタグ付けしたりメンションしたり出来るユーザーを管理する新しいコントロールを導入する。コメント、キャプション、ストーリーで自分にタグ付けしたりメンションしたり出来るのは「全員」「フォローする人のみ」あるいは「誰も出来ない」というように選択が可能だという。


・単に好かないコメントや妥当な批判を沈黙させる効果も?
 『TechCrunch』は「これらの機能により、アカウント所有者がコミュニティをより適切に管理できるようになるが、妥当な批判や投稿者が単に好まないコメントを黙らせる効果もあるかもしれない」と長所と短所について指摘している(参考:https://techcrunch.com/2020/05/12/instagram-adds-new-anti-bullying-features-including-tag-controls-comment-management-tools/)。


 また、Twitterが行ういじめ対策の例にも言及している。Twitterは、ユーザーが気に入らないリプライを非表示にする方法を提供するが、プラットフォームから削除することはなく、Instagramの新機能とは対照的だ。Twitterのリプライは余分にクリックすると、背後に隠されており、どこを見ればよいかを知っている人は、表示させることができる。


 Twitterは、どちらかというと自由度の高いソーシャルメディアだが、荒れやすいという特徴もあり、機能を微調整して、ユーザーエクスペリエンスを高める取り組みを行っている。


 Facebookが所有するInstagramは比較的、新しいプロダクトで、ユーザーは10代の若者も多い。若者は、とりわけいじめへの耐性が弱く、最悪の場合は自殺にまで及ぶか懸念もある。Instagramはこの点に、配慮しているのかもしれない。


 ユーザー層の違いや運営企業の方針によって、SNSの機能は今後、一段と多様化していくことだろう。


(Nagata Tombo)