世界的な大手ソフトウェア企業であるアクロニスは5月14日、WEC世界耐久耐久選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WECチームとテクノロジーパートナーシップを締結し、同チームのオフィシャルAIパートナーとなったことを発表した。
アクロニスは個人ユーザーや中小企業、大規模企業向けにバックアップソフトウェア、ディザスタリカバリ、セキュアなデータアクセスを提供するサイバープロテクションの世界的大手企業だ。
データ管理における優れた知見を活かして世界各国のスポーツチームと提携しており、モータースポーツの世界ではF1を戦うウイリアムズやレーシングポイントとパートナーシップを結ぶ他、ABBフォーミュラE選手権のDSテチーター、NIO 333レーシングとも提携している。
そんなアクロニスと新たに技術パートナーシップを結んだトヨタは現在、WECの最高峰であるLMP1クラスに、2台のトヨタTS050ハイブリッドを投入し“世界三大レース”のひとつであるル・マン24時間レースを組み込むシリーズ戦に参戦中。ル・マン3連覇と選手権2連覇を目指している。
今回の提携によりトヨタは人工知能(AI)と機械学習(ML)におけるアクロニスの専門性を活用し、膨大な量のレースのデータを処理して車両の開発に生かすことができるようになるという。また、アクロニスは風洞装置によって得られるビッグデータ解析の側面においても同チームの支援を行う予定だ。
さらに、アクロニスではリモート環境などのあらゆるワークロードを保護し、サイバー攻撃を防ぐ高度なサイバープロテクションと技術開発にも携わっている。これによって新型コロナウイルスの流行下、“ソーシャルディスタンス”が求められる場合であっても、顧客がより安全に業務が行える状態を維持できるよう貢献しているという。
「WECにおいてアクロニスが、TOYOTA GAZOO Racingのチームメンバーとなることを非常にうれしく思う」と語るのはTOYOTA GAZOO Racingヨーロッパのマネージング・ディレクターを務めるロブ・ルーペン。
「モータースポーツは性能がすべてだ。アクロニスとTOYOTA GAZOO Racingチームとのパートナーシップに基づき、アクロニスのAI/MLソリューションが導入され、チームのレースカー開発の強化に力を貸してもらえることを期待している」
「このパートナーシップにより、我々が今まで待ち望んでいた強い味方を得ることができる。アクロニスとともに素晴らしい1年を築いていくことを楽しみにしているよ」
アクロニスの創設者でCEOを務めるセルゲイ・ベロウゾフは「我々は今後も、テクノロジーの分野で#CyberFitという基準を確立していく」とコメント。
「最先端のAI/ML開発によって強化された当社のテクノロジーは、モータースポーツチームにおけるあらゆる環境下のデータやアプリケーション、システムの保護に最適だ」
「TOYOTA GAZOO Racingのオフィシャルチームパートナーとなったことを大変な名誉であると思うと同時に、チームとのパートナーシップが素晴らしいものになることを期待している」と語っている。