2020年05月17日 12:51 リアルサウンド
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、破天荒な言動と巧妙なSNS戦略でもよく知られている。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)対策をめぐる問題発言により、愛用しているTwitterからの締め付けが更に強まった模様だ。2020年に行われる大統領選での再選を目指す上で、痛手を被った可能性がある。
(参考:Twitterがリプライの新レイアウトをテスト開始 “有害なリプライ”抑止やコメント付きリツイート検索機能も実装へ?)
・Twitterが誤情報に関するポリシーをアップデート
Twitterはブログ上で「誤解を招く情報へのアプローチのアップデート」を報告した(参考:https://blog.twitter.com/ja_jp/topics/company/2020/Covid19Misinfo.html)。
これは、Twitterで信頼できる情報を見つけやすくし、有害で誤解を招く可能性のあるコンテンツの拡散を制限するためのものだ。
COVID-19に関連する誤解を招くような情報を含むツイートに対し、新たにラベルと警告メッセージを導入するという。また、これらのラベルは、Twitterによってキュレーションされたページ、または外部の信頼できるソースにリンクする。
情報の有害度やタイプによっては、ツイートに警告が提示される場合もある。虚偽または誤解を招くコンテンツには様々なものがあるが「誤解を招く情報」「異議のあるもの」「未確認のもの」と3つに分類して対処。ツイートされた動画や画像等に誤情報が含まれる場合も、ラベルや警告の対象になるという。
今回の発表に寄せられた質問に対して、TwitterのYoel Roth氏は「これらのラベルは、ポリシー要件を満たす誤解を招く情報を共有する全ての人に適用され、世界中の指導者も含まれます」とツイートしている。
・誤った治療法の提案に対し、Twitterが“大統領特権”を剥奪?
『Mashable』は「トランプは、Twitterのコロナウイルス誤情報の新ルールの例外ではない」というヘッドラインで報じた(参考:https://mashable.com/article/twitter-coronavirus-misinformation-rules-trump/?europe=true)。
同記事では、「Twitterが新型コロナウイルスのフェイクニュースとの戦いにおいて一歩前進した」と評価。それというのも、Twitterは過去にトランプ大統領にコンテンツポリシーを適用せずに、「一貫性がなかった」と批判されているからだ。それを踏まえて、先述したYoel Roth氏の発言は、重要なものだとしている。
なお、トランプ大統領は、新型コロナウイルスの治療法についての誤った情報を広めたと言われており、『CNN』は4月にトランプ大統領がツイートした「新型コロナウイルスには消毒剤の注射が有効な可能性がある」という内容を問題視。専門家は極めて危険だと否定的な見方を示していることを報じた(参考:https://edition.cnn.com/2020/05/11/tech/twitter-coronavirus-misinformation/index.html)。
根拠のない陰謀説、身体に有害な情報、パニックを引き起こす可能性のある誤った情報は、社会にとって害となる。パンデミックという緊急事態で、そういった情報を流布することは、それがたとえ一国の元首であったとしても、断じて許されるべきことではない。
そういった姿勢を、Twitterは今回、明確に示したといえるだろう。
(Nagata Tombo)