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休日も届く「上司のチャット」がウザすぎる…在宅勤務で導入、押し寄せるメッセージの法的問題は?

2020年05月16日 09:01  弁護士ドットコム

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新型コロナで在宅勤務が始まり、新たなツールが導入された人もいるかもしれません。


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メディア関連企業で働く20代女性の会社では、在宅勤務が増えることから情報共有のためにチャットツールが導入されたそう。しかし、休日も飛び交うメッセージにうんざりしていると話します。



「休日も上司が『俺たちの仕事の意義は…』と熱いメッセージを送って来るんです。業務で使っているチャットツールのため、休日も見ざるを得ないんです。なぜか上司を盛り立てる部下もいて、何なんだろうって思います」



雑談だけでなく、業務に関することも混じりながら日夜動き続けるチャット。手軽で便利ではあるものの、休日も気にしなければならないというのでは心が休まりません。



こうした事例は、労働法上問題とならないのでしょうか。田村優介弁護士に聞いた。



●返事を要求されていたら「労働時間」の可能性も

ーーチャットでの連絡が終業後や休日にくる場合、これも労働時間と言えるのでしょうか



労働時間は、使用者(会社)の指揮命令下にある時間を指します。



夜間や休日なども、質問などへの回答が事実上要求されていると言えるのであれば、これらに対応する時間も指揮命令下にあると考えられ、労働時間として残業代を払わなければならないなどの効果が生じると考えられます。



ただし、業務時間外にメッセージが送信されるものの、返信は次の勤務時間以後で問題ない、ということであれば、メッセージ送付がされるだけで、指揮命令下にあるとまでは言えないと思います。



ーーチャットツールを導入する際には、どのような点に気をつけるべきですか



勤務時間以外はメッセージアプリを落とし、プッシュ通知も切っておく、などの方法で、仕事とプライベートのメリハリをつける方法がよいと思います。



このようにした時、もしも上司が難色を示した場合は、前述の「指揮命令下にある」との認定に繋がると考えます。



ただし、プライベートでも使用しているアプリ、たとえばラインなどを仕事でも使う場合では、休日は使用しないというのは難しいでしょう。そもそも、仕事で個人のライン等のアカウントを用いることを使用者が求めること自体、適切ではないでしょう。



会社はビジネス用のチャットアプリを用いるか、仕事用スマートフォンを貸与し、仕事専用のラインアカウントを作成させる、などの方法をとるべきです。




【取材協力弁護士】
田村 優介(たむら・ゆうすけ)弁護士
ブラック企業被害対策弁護団副事務局長、日本労働弁護団。残業代請求、不当解雇、パワハラなど、労働問題を多く手がける。共著「働く人のためのブラック企業被害対策Q&A」など。
事務所名:城北法律事務所
事務所URL:http://www.jyohoku-law.com/