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電柱でお尻を掻いた牛 800戸以上の停電を起こす(スコットランド)

2020年05月15日 05:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

停電を引き起こした牛の“ロン”(画像は『Hazel Laughton 2020年5月8日付Facebook「Our bull Ron would like to apologise to everyone in Chapelton and Strathaven for causing last nights power cut to over 700 homes!!」』のスクリーンショット)
動物は時に想像し得ないことをやってのけるものだ。このたび電柱でお尻を掻いてしまったことにより、800戸以上の停電を起こしたお騒がせな牛がスコットランドで話題となっている。

5月7日の22時頃、スコットランドのチャペルトン(Chapelton)にある農場「イースト・ショートンヒル・ファーム(East Shawtonhill farm)」で飼われている牛の“ロン(Ron)”は突然お尻が痒くなったようだ。人間のように手で掻くことができないため、ロンは近くにあった電柱を使ってお尻を掻き始めた。

リムーザン牛のロンは、体毛の生え替わりの時期に身体を何かに擦りつける行動がよく見られるようだ。ロンはがっしりとした体格で、体重は1トンを超えている。その大きな体を擦りつけたため、電柱が大きく揺れたようで、電柱に取り付けられていた変圧器が落下し壊れてしまったのだ。これによりチャペルトンだけでなく、ストラスヘイブン(Strathaven)やグラスフォード(Glassford)も含めた周辺地域で800戸以上もの停電を引き起こしてしまった。

ロンの飼い主で農場のオーナーでもあるヘーゼル・ロートンさん(Hazel Laughton)は、翌日の早朝になって落下していた変圧器を見るまでは何が起きたのか気付かなかったそうだ。壊れた変圧器を見て何が起こったのか考えていると、ヘーゼルさんに向かってロンが申し訳なさそうに歩いてきた。壊れた変圧器とロンがよく電柱でお尻を掻いていたことを思い出し、ヘーゼルさんは全てを理解した。

ヘーゼルさんは「ロン自身は何があったか全く分かっていないと思うわ」と話す。運良く変圧器はロンの頭上には落下せず牧草地に落ちたため、11,000ボルトはあったとされる電圧から逃れることができた。電柱の真下で身体を掻いていたのに、直撃を避けられたのは奇跡的だ。

落下した変圧器は、電柱にしっかりと取り付けられていたはずだが、それを落下させてしまうとは動物の力は計り知れないものがある。変圧器を修理に来た人も「牛が変圧器を落として壊したなんて初めてだよ」と語っており、その破壊された変圧器に驚いたそうだ。業者の素早い対応により、5月8日の日中には電力復旧が成された。

ヘーゼルさんはこの事件について、フェイスブックで「昨夜起きた700戸以上の停電について、私たちの牛、ロンが謝罪したいと思います。ロンはお尻が痒くて電柱で掻いていたら、電柱から変圧器を落としてしまったの。ロンは幸運にも落下してきた変圧器の直撃を免れ、11,000ボルトの電圧からどういう訳か生き延びたことを嬉しく思ってるみたい。ロンの名前を“スパーキー(Sparky)”に変えようと考えているわ」と綴った。

なおヘーゼルさんの投稿には「700戸以上」と書かれているが、実際には800戸を超える停電が発生していたことがスコットランドの電力会社「SPエネルギー・ネットワークス(SP Energy Networks)」の調べにより分かっている。

この投稿は5月14日現在で2万6千件以上もシェアされ、「ロンが無事でよかった」「可哀そうだけど、すごく面白い」といったコメントが届いている。

画像は『Hazel Laughton 2020年5月8日付Facebook「Our bull Ron would like to apologise to everyone in Chapelton and Strathaven for causing last nights power cut to over 700 homes!!」』『BBC 2020年5月8日付「Bull’s bid to scratch ‘itchy bum’ cuts off power to 800 homes」(HAZEL LAUGHTON)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)